バレーボールを通して辿りついた“楽観的に捉える”
常に前向きな宮部がバレーボール人生を通して導き出した“楽観的に捉える”こと、それは「自分を守るため」の手段。代表落選から約1か月が経った卒業式で今の心境を聞くと、彼女はこの考え方のおかげで既に前を向いていた。
「メンバーに入れなかったことは、マイナスに捉えるのではなく自分がベストを尽くした中で、今の日本チームが勝つための中には入らなかったということだと思うので。もちろん私が駄目なんだって思ってしまうときもあったんですけど、今はとても気持ち切り替えてます。組み合わせだったりとかバランスっていうのもすごいあると思いますし、でもまだまだ自分の技術が足りない部分っていうのもあると思います。パリ五輪の出場っていうのは叶わなかったんですけど、次はロス五輪に向けてこれから自分のできることを精一杯やるだけだと思いますし、自分のスキルアップの期間にできたらいいなと思います」
宮部は今年1月から内定選手としてVリーグの強豪・JTマーヴェラスに入団。現在行われているVカップでも毎試合スタメン出場し、チームのVカップファイナル進出に貢献。1試合で30得点を挙げるなど大活躍を見せている。
「JTマーヴェラスはすごく選手層が厚いチームなので、ベンチから見るバレーもすごく勉強になっています。でもやっぱりプレータイムをもっと多く勝ち取りたいっていうのはすごく素直な気持ちとしてあるので、そこは本当にこれからの自分の成長次第だと思ってます。今はVカップでオポジットのポジションもチャレンジさせてもらってて、そこで毎試合毎試合、毎練習毎練習、自分の中で新しい気づきだったり、これできる、これできないっていうのがすごく明確になってきてるからこそ今すごくバレーが楽しいなって感じますし、これからもっと成長していくためにもっと鍛錬していきたいなと思います」
1番の目標であったバレーボール選手になる夢を叶えた宮部にはもう1つ、”ある目標”があった。それは教員免許を取得すること。「すごく興味がある分野なので結構楽しい」と語る彼女が教員免許の取得を目指したのにはあるきっかけがあった。
「子どもたちにいい影響を与えられるというか、私もプロの選手になりたいとか指導者なりたいとか何か目標を持つのも学校にいるときでのことがきっかけになることが多かったのでそういうきっかけを作れる人になりたいなと思って。もちろんまずは選手になることが1番の目標なので、いつか指導者もやってみたい」
そして無事に教員免許を取得した宮部は「プレイヤーがもし終わって、まだバレーボールに関わっていきたいなっていう気持ちはすごくあるので、そのときにもやっぱり役立つかなと思って。今はまずプレイヤーでコーチングも勉強してきたのでその道も考えられるようにセカンドキャリアのこともしっかり考えて教員免許を取りました」。
バレーにも学業にも全力で取り組んだ宮部。彼女が大学生活を通して最も得たもの、それは友達だという。卒業式でも宮部の周りには人が絶えなかった。それは彼女が4年間の大学生活でどれだけ愛されてきたかを物語っていた。誰からも愛される性格で常にポジティブな宮部が目指す選手像とは。
「オフェンスの部分で存在感があるというのが私の良さ。でもやっぱりオフェンスって誰でも波があると思うんですけど、そこのピークタイムを自分の中で長く保てるようにしたい。チームのターニングポイントになるような、私が1点を取ったら、チームに流れが来たり、私がポイントを取らなくてもチームへの声かけだったり、そういう振る舞いで良い方向に持っていけるような。まだ入団したばっかりですけど、チームを引っ張っていけるような選手になりたいです」
彼女は“常にピークタイム”を掲げ、“愛”が“芽”生える“世”界の中で走り続ける。彼女ならどんな目標も叶えられる、何があっても乗り越えられる。『大丈夫大丈夫、なんとかなるよ』

















