女子バレーボール元日本代表の宮部愛芽世(22)が在学していた東海大学体育学部を25日に卒業した。4年間過ごしたキャンパスでの思い出、バレーと学業の両立、大学生活で得たもの…そして2024年度の日本代表落選を乗り越え新たなステージに向かっていく覚悟を聞いた。
「とても濃い4年間だった。私たちの学年は(コロナの影響で)1年生の時は全く学校に通うことがなかったけれど、そのブランクを埋めれるくらい部活動でも学業でもすごく充実してた。バレー部以外にも同じ境遇で高め合える仲間もたくさんできたので、大学に来てよかった」と振り返った。

宮部は2019年に初の日本代表に選出され、2022年には同じく日本代表で活躍する3歳上の姉・藍梨とともに世界バレーなど、数多くの国際大会に出場した。世界の強豪たちを相手に、持ち味であるオフェンス力を発揮。強烈なジャンプサーブや破壊力のあるスパイクで存在感を見せつけた。「サーブとスパイクは人と違う打ち方・体格を持ってるからこそ活きてくる。だからそこはずっと自分の強みだと思っています」。
強みを活かし、東海大バレー部を引っ張ってきた宮部は4年時にキャプテンに就任。2023年1月、キャプテンに就任したばかりの宮部を取材した際、彼女はこう語った。
「東海はキャプテンが背番号1番をつけるのがルールなんですけど、その1番に恥じないような選手になれるように。背番号1番で1番になって勝てるように。今年の1年はどんなことでも1番を目指すっていうのはモットーにして頑張りたい」
“1番になりたい”という強い思い
実は宮部、高校生の時も自分が最上級生の時だけ春高バレーで日本一を逃した過去がある。大学こそ自分の代でも全日本インカレで日本一、3連覇を達成したいという強い思いがあった。
「今年勝たないといけない使命。ここを乗り越えないとこの先のバレー人生にも上手くいけないと思っているので、今年の1年は大事にしている」
そして昨年12月に行われた全日本インカレで宮部率いる東海大は決勝で筑波大と対戦。キャプテン、そしてエースとしてのプレッシャーの中で戦った結果は準優勝。試合後、宮部は目に涙を浮かべながら語った。
「悔しいっていう気持ちは率直にある。でもこれからもバレーボールを続けるんだなって実感できるような結果だった。目の前の目標は今日でいったん終わったんですけど、大きな目標で言うと日本代表で活躍したいという気持ちが1番。パリ五輪に向けて来年メンバーに入れるように頑張っていきたいですし、その先のロス五輪でも中心メンバーとして戦えるように、自分の弱みをカバーするだけじゃなくて強みを伸ばしていきたい」
全日本インカレ後、そう強く語った宮部だったが、先日発表された2024年度日本代表メンバーの中に宮部の名前はなかった。彼女のパリ五輪出場の夢はここで途絶えてしまった。
今回の代表落選に対し、自分が駄目だったんだと思うこともあったという。そんな彼女には大事にしている考え方がある。それは東海大バレー部監督・藤井壮浩監督から学んだものだった。

「“自分が大事にしている考え方は楽観的に捉えること”。もちろん大丈夫って思えへんときもあるけれど、でもとりあえずは『まぁ何とかなるよ』っていうマインドで。『大丈夫大丈夫、なんとかなるよ』っていうのは自分を守るためにもですけど、何もかもを重く捉えすぎずに、楽しむところは大事にしようって思ってます」

















