右へ、左へ…、6試合連続ヒット。そのうちの2試合ではマルチ安打も放ち、その才能が開花します。

6試合 打率.444(18ー8)
9/12 一併 中安 二ゴ
9/13 中安 三振 三飛 遊ゴ
9/14 右二
9/15 中安 投安 捕邪
9/16 三振 三振 左安 二安
9/17 右二 遊ゴ 左飛

結果の裏側には、初打席とは全く異なる要素がありました。それは、打席での冷静さ。

田村俊介 選手
「自分が思っている以上に行き過ぎた部分はありましたけど、でも、あのときに次、次と気持ちがならずに落ち着いてやれたっていうのが、すごくよかったなとは思いました。メンタル的にも落ち着いて、ずっとプレーできていたので」

そして、2024年、春季キャンプを1軍で完走し、迎えたオープン戦(3月14日)、田村の真価が発揮されます。なんと2打席連続ホームラン。田村としても自信となる大きな一戦となったはずですが、実はその直前まで打撃に迷いがあったといいます。

田村俊介 選手
「そのホームランが出る前までは、なんかちょっと悩んだ部分もありました。変化球に対して当てにいってしまうというか、自分の持ち味である “しっかり振る” ってところがなんかできてないなっていう感じがあって、あの打席から割り切って、しっかりフルスイングしてみようと思って振った結果、ああいう結果になったので」

迷いの境地が生み出したシンプルな答え―。これは、積み重ねた努力の結晶でした。

田村が持つ打力は一級品。新井貴浩 監督からも「若手の野手の中では頭ひとつ出ている」と評価されます。

この打撃を作り上げているのが、田村が持つ “2つの意識” です。

田村俊介 選手
「自分が打席の中でまっすぐ1本で行くってときもありますし、変化球1本で行くってときもありますし、そういう打席の中で配球を読む割り切りというか…も、けっこう大事にして、その中で逆に来たときに反応で対応したいなっていうのはあります」

相手との間合いにも意識を向けます。

田村俊介 選手
「やっぱり打者って受け身になると思うので、受け身の中でも自分から攻めていかないといけないなと思いますし。ピッチャーが動き始める前から自分が動作を、動いていて、自分の動きにピッチャーの動きを入れ込んでやろうっていうぐらいの気持ちの持ち方というか、そういう感じで打席には入っています」