甲府市中心街、その象徴が姿を変えます。

岡島百貨店が2023年2月に現在のビルでの営業を終える事になりました。

ビルはマンションと商業施設として再開発され、岡島百貨店は売場を縮小し一部をココリへと移転します。


岡島 雨宮潔社長:
岡島は2023年3月に近隣商業施設のココリに移転する事を本日決定しました。既存の百貨店店舗を新たな都市機能に生まれ変わらせる計画をスタートさせることとなりました。


岡島は28日午後会見し、現在ある岡島百貨店のビルと土地を売却し跡地に不動産総合ディベロッパーのタカラレーベンが新たに28階建てのマンションと6階建ての商業施設を建設すると明らかにしました。

マンションはおよそ360世帯が入居し、山梨県内最高層となる見通しです。

また商業施設は1階、2階に合わせて3200㎡の商業スペース、3階から6階は駐車場となり、屋上にはイベント広場も設けられます。


施設に入るテナントは現時点で未定です。


総事業費はおよそ220億円で、いずれもオープンは2028年7月を予定しています。



タカラレーベン 清水一孝副社長:
ココリに移転する岡島との相乗効果を出したいと考えています。

一方、岡島百貨店は2023年2月に現在の店舗での営業を終え、3月に「ココリ」の地下1階から地上2階のフロアに移転します。


店舗面積は現在のおよそ7分の1となり、地下1階が食料品、1階と2階はファッションや雑貨、物産展などのフロアとなる予定です。


なお新たに建設される商業施設に岡島が出店するかは未定としています。


岡島 雨宮潔社長:
決して閉店はない。移転しながら百貨店は続ける。


岡島では社員など合わせて269人が勤務していますが、移転後にも現在の6割程度の売り上げは確保できるとして最大限雇用を確保するとしています。


岡島 雨宮潔社長:
プロの販売員が接客することに一番の業態としての強みがありますし、必ず職に就く形を今、準備しています。


岡島は1843年に創業し、1936年から本格的な百貨店としての営業を始めました。


昭和の高度経済成長期には甲府市中心街のシンボル的存在として買い物客などの賑わい創出に貢献しました。


しかし2000年以降、業績の悪化により2度の債務超過に陥り、現在も山梨中央銀行の支援を受けて経営の再建に取り組んでいます。


2022年2月期決算では純利益はおよそ530万円で2期連続の黒字となっていますが、累積赤字はおよそ2億300万円となっています。


甲府市中心街を巡ってはバブル崩壊後の1998年と1999年に甲府西武とトポスの大型店が相次いで撤退しました。


さらに2019年には郊外型の大型商業施設の出店やインターネット通販の普及により山交百貨店が閉店していて、今回の岡島百貨店の移転、再開発は大型店のあり方の一つの区切りとも言えそうです。