■毎日のように…なぜ用水路への転落事故が岡山で多発するのか

これまでも数が多いと問題になってきた、岡山県内の用水路での転落事故。岡山での昨年1年間の事故件数は269件と、週5件のペースで起きています。

今年はきのう(7月27日)までに5人が亡くなっていて、過去最悪のペースになっています。

(用水路の近くに住む人)
「82歳の人が、買い物をして帰りに落ちたと言われていました。骨折して長く病院に通っていました。怖いですよ」

背景には岡山特有の事情があるといいます。

(岡山市道路港湾管理課 杉本章課長)
「岡山市の土地柄ですね。非常に用水路が多い」

昔の航空写真を見ると、その理由が浮かび上がってきます(画像参照)。

例えば岡山市中区平井の様子。今は住宅街が広がっていますが、60年前はというと一面が水田。もともと農業が盛んだった岡山ですが、農地が市街地になっても、水の供給や雨水の排水のために用水路は残されました。

岡山県南部の大規模な干拓で農地が広がったことも、用水路の数が増えた要因だといいます。岡山市の用水路の総延長は約4000キロ、日本からベトナムまでの距離に匹敵します。

用水路の総延長4000kmは、岡山-ベトナム間の距離に匹敵