
「どうしよう社会が足りない」
この日、南部商業高校で行われたのは『SDGsをテーマにしたカードゲーム』。3人で1つの企業という設定です。流通ビジネス科の3年生30人が10個の企業に分かれ地域の未来を作っていきます。
生徒たちが言う「社会が足りない」一体どういう事なんでしょうか?
損保ジャパン沖縄支社 出村愛果さん
「持続可能な沖縄の未来を想像してください。その2030年度までに皆さんは今できる事だったり何をしたらいいのかというのをこのゲームを通じてヒントをつかむこれが本日のテーマとなります」
チームに配布されるカードは、お金・時間・プロジェクト・それぞれのチームが達成すべきゴールカードの4種類。チームはお金と時間を使ってプロジェクトを達成していき、その報酬を得ます。
それぞれにゴールを目指し、プロジェクトを達成していきます。

プロジェクトを達成するにはいくつか条件が設けられています。まずはお金と時間。そしてのちに生徒たちを悩ませる、地域の状況メーターです。プロジェクトの内容によって、必要なメーターの数が決まっています。例えばこのカードの場合達成するためには経済が7必要です。達成時の対価も多く、地域メーターもプラスされます。
ただし現在の地域メーターでは実行することが出来ません。
「えーお金めっちゃもらえる」「増えた あっ増えた 増えた 増えた」
この地域メーターこそがこのカードゲームの肝。それぞれが地域の事を考えずに自分たちの利益だけを追求すると地域メーターのバランスが崩れ、生きにくい社会になってしまいます。そこで先ほどのこの言葉。
『社会が足りない』
持続可能な開発や社会を「自分ゴト」として体感し始めたようです。
参加した生徒
「プロジェクトの意味を理解するのが難しかった」
「次のステップ行くときにその課題をクリアできたのはいいけど、次に進めないとか、
次に移る行動にどれだけ(地域メーターが)いるのかなとか考えるのが難しかったです。
3回の行動タイムでゲームは進んでいきますそれぞれのターンが終わるたびに中間発表が行われます。

ここでも全体の達成度によって地域メーターの変化があります。生徒たちは自分の行動が地域に繋がっていることを肌で感じます。
生徒「メーターが足りないからできない」
事務局「上げるためにどうしたらいいかという所だね」
損保ジャパン 出村さん
「SDGsのことについてはなかなかあの実際にどうすればいいのか何をしたらいいのかっていうのがわからないことが多いと思うんですけども、自分が起点となって行動することで少しずつ世界が変わっていくんだよっていうところを生徒さんの皆さんにも理解して頂けたかなと思ってよかったかなと思ってます。」
「達成した企業は、地域の状況メーターを良くするために、沖縄の経済、環境、社会を発展させるために皆さんまだ活動を続けてください沖縄の為にみんな活動してくださいね。」
南部商業高校 儀間朝浩教諭
「自分たちで動けるかなとかグループで話し合うかなというのはやっぱりやってみないと分からなかったところがあってでも始まってみるとやっぱり今までの経験でこうすればいいのかなって自分たちでやっぱ考えて行動ができたりとか誰かが積極的に発言して話をまとめるリーダーが出てきたりとかっていうのが見えてきた部分があってこれがやっぱ3年間のこの子達の成長だなーっていうふうに今日は本当に痛感しました。」
親しみやすいカードゲームという道具を使い体感する取り組みは、SDGsの目標へとつながっています。

参加した生徒
「バランス、経済と環境と社会を一定に保つことが難しいなと思ってこれを30年(2030年)までにやっていくのは難しいと思いました。」
「自分がどうすればいいのかとかが今日知ることができたので良かったです。ちょっとずつ自分ができること探してやっていきたいなと思っています。」
自分たちの行動が少しずつ地域に影響を与え、やがて世界へとつながっていく。自分にもいいこと、相手にとってもいいこと。世の中にとってもいいことを進める。そんなことを今回のワークショップは体感させてくれました。