ロシア情勢の影響で日本でも「節ガス」が検討されるなど、今、ガス不足への懸念が広がっています。
そんな中、無駄のない"地産地消"の取り組みが行われている天然ガスが湧き出る町を取材しました。
■“節ガス”の中 天然ガスが湧き出る町の“地産地消”
千葉県睦沢町。人口7000人ほどの農業の町です。水田のわきにある川に行ってみると、川の底から湧き出ている泡。これは、メタンを主成分とする「天然ガス」です。山本恵里伽キャスター
「においがしないですね」
睦沢町の職員
「基本、天然ガスはにおいしないですね。よく嗅ぎなれているにおいは、ガスって危ないのでにおいを付けているんです」
睦沢町を含む周辺一帯の地下にはガス田が広がっていて、この天然ガスは町内の住宅にも供給されています。
山本キャスター
「この川は、ガスが湧いているけど魚とかいるのですか?」
睦沢町の職員
「ブラックバスと鯉がいっぱいいます」
山本キャスター
「ガスが湧いてるけど?」
睦沢町の職員
「全然問題ないです」
実は、こうしたガス田は日本各地にありますが、国内のガス供給量の内、国産はわずか3%ほど。97%は、外国からの輸入に頼っているのが現状です。そのため、ウクライナ侵攻の影響でガス不足の懸念が広がり、“節ガス”の要請も検討されています。7月27日、東京ガスの会見でも「様々な形でLNG(液化天然ガス)を高く買わないで済む努力を引き続き続けていきます」としながらも、値上げは止まりません。
東京ガスでは、一般家庭でのガス料金が2021年8月(4648円)から2022年7月(5886円)の1年間で1238円値上がりしました。一方、地元産の天然ガスを使った睦沢町では、東京ガスと同じ使用料で比べると、値段は約半額の2985円。しかも、2年前から値上げをしていません。さらに、天然ガスは“災害にも強い町づくり”に貢献しています。そのワケは・・・。
山本キャスター
「これは何の機械ですか?」職員
「天然ガスで発電している発電機になります」
天然ガスで発電。ここで作られた電気は、町の防災拠点にもなっている道の駅や隣接する町営住宅に供給されています。そのためこんなことも・・・。
2019年9月、台風15号の直撃で千葉県は甚大な被害を受けました。県内で大規模な停電が最大で2週間以上続く中、睦沢町の道の駅「つどいの郷」では、停電から約5時間後にガス発電で電力供給を再開。住民は、携帯電話の充電やトイレを利用。施設内の温水シャワーも無料開放されました。
睦沢町民
「(停電で)自分の家は電気が来なくて、トイレとかそういう関係も全てダメになって、道の駅のお風呂も使えてトイレも使えて本当に非常に助かった」