そのほかの顧問の不適正な行動、学校の対応に問題も

第三者委員は、直接的な原因ではないものも、コザ高校の対応にも問題があったと指摘。生徒Aさんが亡くなる以前にも、顧問は▽女子部員の鼻の穴に指を入れる▽宿泊先の女子部員の部屋を訪れ、ベッドに寝転んで話す…などいくつかの不適切な指導が学校に報告されていました。
しかしー
上間陽子 副委員長(琉大教育学研究科教授)
「この事案が起こる前年度に、生徒に対する不適切な指導という問題がある。管理職がそれを掴んでいます。掴んでいるにも関わらず、当該の“被害を受けた生徒たちへの聞き取りはなされていない”んですね。それは生徒たちにとってみれば、どうしてそういう風になったのかとか、どう思っているのか、聞かれていくような学校文化があって、それが当たり前になっていたら、こういうことはなかったと思います」
生徒たちの言い分を聞かない学校の対応は、生徒が教職員に対して協議をもちかけたり、異議申し立てをしたりすることができない、ゼロ・トレランス(寛容度ゼロ)的な指導だとし、学校が問題を発見できなかったことの間接的な原因になった可能性があると指摘しています。

おととし1月から2年3か月をかけコザ高校の教職員や空手部の生徒など74人に聞き取りを行い、Aさんの軌跡を追ってきた委員たちは、時に涙を浮かべながら語りました。
第三者委員 安里学さん(弁護士)
「彼はすごく空手を愛していて、空手を上手になりたいと思っていた。いい成績をあげて全国大会も控えていた。その前に、なぜ、続けたかっただろうな、何もなく守れなかった大人の責任が重いなと、ご両親が受けた衝撃…もう想像するだけで」