宮城県が進める仙台医療圏の4病院再編構想について、病院の移転先となっている富谷市で先週末、初めて住民を対象にした説明会が開かれました。住民からは賛否それぞれの意見が上がり、病院が来る側でも歓迎一辺倒ではないことが浮き彫りになりました。
大友惇之介記者:
「富谷市では初めてとなる4病院再編構想についての県の説明会ということで、多くの住民が会場に詰めかけています」

富谷市で初めて開かれた説明会には、地元の住民らおよそ190人が参加しました。県の担当者が「(富谷市を含む)黒川地域で手薄となっている救急搬送態勢や周産期医療の課題解決につながる」と構想の意義を説明しました。
県の構想は、富谷市に仙台市青葉区の東北労災病院と名取市の県立精神医療センターを併設して移転するものです。住民からは富谷市への病院移転を期待する意見が上がりました。

参加した住民:
「(救急搬送の時間が)5分あるいは10分も短ければこんないいことはありませんのでぜひ実現してもらいたい」

一方、県の説明は不十分だとして疑問や不安の声も上がりました。
参加した住民:
「精神科というと閉鎖病棟というイメージがある。どういう病院が来るのかという説明をしてほしい。そうでなければ反対も賛成もよく分からない」

これに対し県は「病院のあり方について検討を進め、地域の不安に繋がらないような病院を目指していく」と理解を求めました。
参加した住民:
「地元で近くだから(移転は)良いと思うけれど、遠くから来る人は交通の便が悪い。賛成が6割、反対が4割っていうところですね、自分としては」
「労災病院に通院しているので、それがこちらに来るのはすごく助かる」

伊藤副知事:
「我々が検討している枠組みのうち、北のほうは基本合意がまだできていないので(協議の)進捗も踏まえながら、説明できる場を持ちたいと思っている」

移転先でも歓迎一辺倒ではなくさまざまな意見が出たことで、改めて県の説明不足が浮き彫りになった形です。














