6月から木下サーカスの岡山公演が行われています。地元では4年ぶりの公演。創立120年の節目の年となる木下サーカスには並々ならぬ思いがありました。

■コロナ禍で長期休演…是が非でも実現したかった地元公演


6月26日に開幕した木下サーカスの岡山公演。連日、大勢の家族連れで賑わっています。ライオン・ゾウそして空中ブランコ…。迫力満点のショーで魅了します。しかし2年前、木下サーカスは大きな危機に陥っていました。

(記者)「経営悪化による解雇はしないのか?」
(木下サーカス 木下唯志社長)
「解雇はありえない。ありえないというか、すべきでないというか」

新型コロナの影響で約5か月に渡る長期休演。創業初の出来事でした。観客数の制限など厳しい日々が続くなか、是が非でも実現をと願っていたのが地元・岡山での公演でした。

「2年後、岡山公演ですが、『2年前にあのようなことがあった』と楽しい思い出になるようにしたい」

■「がんばれ。80歳の少年より」ファンのエールや寄付に支えられた2年間 

あれから2年。

(手紙より)
「がんばれ。楽しみにしています。80歳の少年より」

コロナで経営が悪化するなか、ファンのエールや寄付に支えられてきたといいます。直前の名古屋公演では岡山での新技披露に向けて精一杯、練習に励む若手アーティストの姿も。新型コロナによる解雇をゼロで乗り切ることができ、サーカス団員の絆はより一層強くなりました。

(木下サーカスの調教師 マイケル ハウズ さん・イギリス出身)
「サーカスに入り舞台に立つことは家族になるということだ。家族的な伝統を持つサーカスの多くが時の試練によって失われるなか、ここにはそれが残っている」

■木下社長 サーカスを、団員を「まさに命がけで守っていく」

岡山で誕生した木下サーカスは、今年120周年の節目を迎えました。新型コロナの影響で、世界中のエンターテインメントにいまだ厳しい逆風が吹くなかでも、これだけ木下サーカスが多くの人に愛される理由とは何なのでしょうか。

(記者)
「2年前の質問を覚えていますか?」
(木下 唯志 社長)
「ありえるわけない。ありえるわけがない。われわれと同じ命を共有している。まさに命がけで守っていかないといけない」