“地域の宝” 世界に広めるために

本多さんが次に起こした行動は、発泡スチロールでの巨大「ゲタ」作りです。2月25日、内装用のパテでゲタをコーティングしたり、巨大ゲタをすえ置く土台を作ったりしました。ここでも本多さんを支えた人がいます。

市内のクリーニング業・ダイニチの 山本圭祐 社長です。山本社長と社員3人がボランティアで本多さんの挑戦をサポートします。そこには山本社長の地域への思いがありました。

長年、松永地域の神社で行われている秋の例大祭で使う山車を、発泡スチロールで飾り付けていたのです。山本社長は、地域を担う本多さんたちに期待を寄せています。

ゲタにバラを飾り付けるイベントの本番前日…。会場にゲタが運び込まれました。高さおよそ2メートル、幅およそ1メートルの巨大なゲタが2つ現れました。木目調のシートを表面に貼り付け、鼻緒には福山が誇るデニムをあしらいました。いよいよ本番です…。

午前10時のイベントスタートを前に本多さんたちが準備を進めます。講師を頼まれていた藤田さんも駆け付けました。会場に集まった人たちも、興味津々です。

福山葦陽高校 1年 本多春翔 さん
「世界バラ会議が2025年に福山であるんですけども、この時には世界中からたくさんの方々が来られるので、その時に松永のゲタと、祭と、このティッシュアートを世界に広めていきたいな」

参加者たち
「バラじゃん。すご~い。えっ、これだけ? 簡単」
「これさ、小学校で教えてあげたら、めっちゃ人気者になれるで」

バラを作った人から、次々と巨大ゲタにバラを挿していきます。色とりどりのゲタになってきました…。

参加者たち
「想像以上に良いのができた気がしております」
「最初、失敗してあせったよなあ。でも、ちゃんとリカバリーしてきれいな花が作れました」

この日だけで、およそ70人が参加し、100本ものバラがゲタを彩ることになりました。本多さんの取り組みは終わったわけではありません。

本多春翔 さん
「約1年間かけて、世界バラ会議に向けて、市民のみなさんと一緒になって、作っていこうと思いますので、この松永地域だけでなくて、福山の市内の方でも続けていきたいなと思っています」

5月に市内で行われる「ばら祭」といったイベントでも協力を募る予定です。みんなでつくるバラは、本物以上の輝きを見せてくれています…。