「アメリカの捜査機関にマネーロンダリングに加担しているのではと疑われている。預金をうつしましょう」などという電話をきっかけに、高知県の60代の男性が31万円をだまし取られていたことが分かりました。

県警によりますと、3月4日の午前10時半ごろ、高知県高岡郡に住む60代の男性の携帯電話に「+1」から始まる電話番号で、通信販売会社を名乗る男から電話がありました。

男は、「クレジットカードを使ってアメリカで商品を購入した形跡がある」「アメリカの捜査機関は、あなたがマネーロンダリングに加担しているのではないかと疑っており、預金口座を全て凍結するようです」「後で、金融庁から連絡があります」などと、話したということです。

その後、「03」で始まる電話番号で金融庁を名乗る男から電話があり、「あなたの全ての口座を凍結しなければいけません。口座が凍結されると困るでしょうから、預金を金融庁が用意する口座を移しましょう」「救済用の口座は後日、金融庁の者が通帳を自宅へ持参するようにします」などと話したということです。

男性が複数の口座を保有していることを伝えると、男は、「(各口座の)お金を移しましょう」などと言い、ネットバンキングで送金の手続きを進めることを指示してきました。

男性は男の指示通り、ネットバンキングの送金手続きを行い、合わせて31万円を送金してだまし取られたということです。

県警によりますと、高知県内では、今年に入ってから特殊詐欺事件が14件起きていて、被害額は、2億5500万円を超えています。

これは、過去10年で年間の被害総額がもっとも多かった2014年に次ぐ数字となっています。(5億6600万円)

県警は、「+1で始まる国際電話など、通常かかってこない番号からの電話は、警戒してほしい」と呼びかけています。