2024年の春闘で、連合は賃上げ率が第1回集計で5.28%となったと発表した。1991年以来33年ぶりの高水準だ。
春闘 賃上げ率5%超「人への投資」“満額”相次ぐ

キリンホールディングスは、月額1万3000円以上のベースアップで妥結。初めての満額回答で過去最高の水準だ。
キリンホールディングス 坪井純子取締役:
人が育つことが、会社が強くなること。人で勝っていく会社になりたいと思っている。

3月13日に迎えた春闘の集中回答日。大手企業の大幅な賃上げが相次いだ。

トヨタ自動車は4年連続で満額回答。最大で月2万8440円の賃上げで、過去最高の水準。
トヨタ自動車 総務・人事本部 東崇徳本部長:
今後の10年先を見据えたときの人への総合投資の1つだと思っている。

日立製作所や三菱電機などもそろって満額回答。2023年を上回る数字が並んだ。
日立製作所 田中憲一常務:
日本経済のデフレ脱却に向けて、2024年が重要な転換点であるということは認識した。
さらには、満額以上の回答も。
日本製鉄 三好忠満 人事労政部長:
従業員には一流の水準にふさわしい一流の実力をつけて、生産性向上などに最大限発揮することを強く望んでいる。

日本製鉄は、組合が要求したベースアップ相当分の3万円を上回る月額3万5000円の過去最高額で回答した。

千葉県君津市にある東日本製鉄所 君津地区で働く従業員は、大幅な賃上げについて「物価上昇分は最低限でも上げてもらえば助かるので、喜ばしいこと」「前年に比べると上がっている。この地域は日本製鉄が動かなければ賃金が上がっていかないので、日本製鉄が上げたという事で、下の協力会社も全部それに右ならえなので」と話す。

3月13日には、政府、経済界、労働界による政労使会議が開かれ、中小企業の賃上げが重要との考えが確認された。

経団連 十倉雅和会長:
いいスタートが切れたと思う。これから続く大企業、中小企業も賃上げのモメンタム(勢い)を引き継いでもらいたい。
そして、3月15日の夕方。

連合 芳野友子会長:
1991年以来33年ぶりの5%台であり、日本のステージ転換にふさわしいスタートが切れたという判断をしている。

連合は、第1回集計で、賃上げ率が平均で5.28%となったと発表。1991年の5.66%以来33年ぶりの高い水準だ。
街の声は…。60代の会社員は「基本給を1万8000円上げてくれた。とてもうれしかった」。50代の社会保険士は「大手は上げるが、中小はそんなに景気が良いという印象がない」と話す。