14年前、東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件で殺人などの罪で死刑が確定していた青森市出身の加藤智大死刑囚の刑が26日執行されました。歩行者天国にトラックで突っ込んだあと通行人を刃物で刺して、17人を死傷させたこの事件は、社会にあまりにも大きな衝撃を与えました。

加藤智大(かとう・ともひろ)死刑囚は14年前の2008年6月8日の日曜日、東京・秋葉原の歩行者天国で2トントラックを運転し、ブレーキをかけずに交差点に突入しました。さらに、トラックから降りて、道行く人を持っていたナイフで次々と刺し、7人を殺害、10人に重軽傷を負わせました。

加藤死刑囚の弁護側は一貫して「事件当時、心神喪失か心神耗弱だった」と主張して、上告しましたが、最高裁がこれを退け、殺人などの罪で2015年2月に死刑が確定。そして26日午前。

※古川禎久 法務大臣
「本日、加藤智大の死刑を執行しました」
収容されていた東京拘置所で死刑が執行されました。加藤死刑囚の実家の近くに住む人は…

※実家の近くに住む人は
「思い出したくなかった。あまり考えたくなかった。あまりにも家が近いところにある。本当に何回もびっくりしました」

高校を卒業するまで青森市で過ごした加藤死刑囚。中学時代はテニス部で汗を流し、成績はクラスでトップでした。
一方で、同級生は事件後、「かっとなりやすい一面があった」と証言していました。

※中学の同級生
「自分をバカにされたりすると、プライドが高いからかすぐ怒ったり。激高するかのように声を荒げたり」
加藤死刑囚は小学校のアルバムの文集をこう、締めくくっていました。「もっといろんなことをしとけばよかった。後悔先にたたず…。」なにが凶行にかりたてたのか。「秋葉原で人を殺します」犯行前、インターネットの掲示板に予告ともみえる書き込みを残していました。裁判では、「掲示板で受けた嫌がらせ」が犯行の動機と語っていました。

※古川禎久 法務大臣
「突然の凶行により、命を奪われた被害者はもちろんのこと、ご遺族の方々にとっても無念この上ない事件だと思います。法務大臣として慎重なうえにも慎重な検討をくわえたうえで、死刑の執行を命令した次第です」

社会に大きな衝撃を与えた秋葉原・無差別殺傷事件。被害者や遺族の苦しみが終わったわけではありません。