「国民年金の払い戻しがあり、今日中だったらすぐに手続きができる」などというウソの電話で、3月14日、高知市の60代の男性がおよそ114万円を、高知市の60代の女性がおよそ16万円をだまし取られていたことが分かりました。
高知県警によりますと3月14日の午後3時ごろ、高知市に住む60代の男性の自宅に「国民年金課」を名乗る男から「国民年金の払い戻しがあり、今日中だったらすぐに手続きができる」などと電話がありました。男性が口座を持っている金融機関を伝えると近所のATMまでの移動時間と携帯電話の番号を聞かれたということです。
男性がATMに移動すると今度は、コールセンターを名乗る男から電話があり、指示されるままATMを操作。男から「エラーが出た。別の口座を持っていないか」などと聞かれ、指示通りに再びATMを操作し、元の口座と別の口座から合わせて114万3500円をだまし取られたということです。
同じ日の午前10時ごろには、高知市の60代の女性の自宅にも国民年金課を名乗る男らから同様の電話がありました。女性も男らの指示通りに近所のATMを操作し、口座からおよそ15万8000円をだまし取られたということです。
電話でのやり取りの中では、金融機関を名乗った男もいて、女性はネットバンキングのIDとパスワードを教えていました。ネットバンキングからは、数十万が引き出されたと見られていて、警察は、この件についても調べを進めています。
県警によりますと、県内では2024年、13件の特殊詐欺事件でおよそ2億5500万円がだまし取られています。これはすでに、過去10年で年間の被害総額がもっとも多くなった2014年(5億6600万円)に次ぐ数字となっています。
県警は、「電話がつながったままで急かされる手口があるが、身に覚えのない電話については周りに相談するなど冷静に対応してほしい」と注意を呼びかけています。














