2月のミシガン州予備選挙では、バイデン氏が勝つことは規定路線だったが、それよりも注目を集めたのは13%=約10万人が投じた「Uncommitted=支持者なし」票だった。抗議投票を開始した団体は、スーパーチューズデーの日にはミネソタ州で同じ活動をしていて、同州で記録された「支持者なし」票は18.9%にも上った。

こうしたアラブ系住民を中心とした「反バイデン」層が親イスラエルのトランプ氏に投票することは考えられないが、ミシガン州のような激戦州でバイデン氏が票を失うことになると11月の選挙結果に大きな影響を及ぼす可能性もある。

バイデン氏は私的な会話の中でネタニヤフ首相を「この男」「ろくでなし」などと発言したというアメリカメディアの報道があったように、バイデン氏はガザ情勢をめぐりイスラエルにいら立ちをにじませている。

トランプ氏は早速「討論会」を要求

ヘイリー氏の撤退が決まるとトランプ氏は、自身のSNSで「いつでも、どこでも、どんな会場でも、討論会を開催することを求めている!」と表明した。これまで共和党内の候補者討論会はすべて欠席していたが、バイデン大統領に対して早速、対決を要求した。

早くも「4年前の再戦」が決まった大統領選挙だが、ロイター通信が今年1月に行った調査によると、67%の人が「バイデンvsトランプの戦いはもう見たくない」と答えている。多くの有権者にとって「どちらも嫌」な選挙となる中、両者ともに「反対層」をどのように振り向かせるのか苦心することになりそうだ。