共和党の大統領選候補者指名レースを占う「スーパーチューズデー」は現地3月5日に全米15州で投開票が行われ、トランプ前大統領が14州で勝利した。そして対抗馬だったニッキー・ヘイリー氏はついに「撤退」を表明。“4年前の再戦”、バイデン氏対トランプ氏の大統領選挙の展望を、スーパーチューズデーの結果から読み解く。(TBS ワシントン支局 樫元照幸、涌井文晶、ニューヨーク支局 大橋純)

トランプ氏の演説から見えた"変化"

「11月5日はアメリカの歴史の中でも大きな日になるだろう」

まだいくつかの州で投票が行われている中、日本時間3月6日の午後0時過ぎにフロリダ州の邸宅、マールアラーゴでトランプ氏は“勝利宣言”を行った。

「この3年間、この国が打撃を受けるのを見てきた」

11月の本選挙を見据え、演説のテーマは早々にバイデン政権への攻撃に移った。
トランプ氏が在任中の4年間には、ロシアによるウクライナ侵攻や、ハマスのイスラエルへの攻撃はなかったと強調。経済の面でもインフレは起こっていなかったと指摘し、バイデン政権の3年間を失敗の連続だったと断定して厳しく責め立てた。

「共和党には素晴らしい人材がいる。我々は団結を望んでいて、団結するつもりだ」

トランプ氏がこの時点では撤退を表明していなかったヘイリー氏への“口撃”はせず、「団結」に触れたのも印象的だった。

対象的にニッキー・ヘイリー氏はこの日、メディアや支持者の前に姿を現すことはなかった。地元サウスカロライナ州で選挙戦を見守ったということだが、動静が伝えられることはなかった。