巧妙なアプリまでつくり、入金させる手口
藤森祥平キャスター:
身近なSNSに忍び寄る詐欺。フェイク音声まで使うとは、びっくりです。
喜入友浩キャスター:
私も、かなり強い危機感を持っています。ここまで、相手を信じ込ませるための詐欺の手口を紹介しましたが、その先、どのようにお金をだまし取るのかを見ていきます。
まずLINEから、金やFX取引の専用アプリへと誘導し、ダウンロードさせます。
このアプリでは、画面に、実際に値上がりしているように見えるグラフだったり、数字だったりが表示されています。
そして、アプリ上で入金を求めます。ただ、出金はできないようになっている。
つまり入金したお金は戻らずに、奪われるという仕組みになっています。

小川彩佳キャスター:
そのアプリに、怪しげなところはないんですか?
喜入キャスター:
実際にダウンロードしてみたが、精巧な作りでしっかりしている。
時事芸人 プチ鹿島さん:
昔からこういうものはあるのでしょうが、巧みに今の時代の空気を取り入れていますよね。政府自体が、貯蓄から投資へ、と言って、新NISAを用意するなど推奨している。そのメッセージの裏には、老後資金は、年金に頼るのではなく、自分たちで頑張ってくれよな、というものを感じ取れるので、“何かやった方がいいのかな”って、僕もそわそわしちゃう。悪いことを考える人にとっては、今がいちばんのチャンスとも言える。

小川キャスター:
喜入さんは、実際にLINEのやり取りをしましたが、何かおかしい点などはなかったんですか?
喜入キャスター:
よく見ると、“おや?”という点がいくつかありました。
例えば、LINEグループのメンバーは79人いるんですが、一覧を見てみると、森永卓郎さんを名乗るアカウントが、5つもある。写真も全部、森永さん。
他にも、メッセージの漢字をよく見ると、日本の表記では、あまり見ない漢字がある。

東京投資被害弁護士研究会の葛田勲 弁護士は、「犯罪が国内だけでなく、海外で行われている可能性が高い。お金の流れの追跡が極めて難しい」と話しています。

星浩 TBSスペシャルコメンテーター:
海外での犯罪の場合、その国が、捜査協力をしてくれるかどうかという問題があって、東南アジアの一部とか、韓国とかは捜査協力してくれるが、そんなに多くはない。なかなか捜査を一緒にやってくれませんし、日本から捜査員を入れるのも難しい。犯行に使われる銀行口座から捜査していくという方法もあるが、最近は、頻繁に銀行口座が変わってしまうので、捜査が追いつかない。捜査が、犯行よりも遅れている状況になってしまっている。
喜入キャスター:
しかも、若い人の被害も出ているという状況です。
手口は巧妙なので、何に注意すればいいのか。
森永卓郎さんの息子で、経済アナリストの森永康平さんは、「粗探しをする前に、いつの時代も、“必ず儲かる”とか、“絶対に損しない”とかいう言葉は嘘で、こうしたワードに、きちんと気づくことが大事だ」とおっしゃっていました。

金融庁も相談窓口を設置しています。怪しいなと思っている人は、すぐに相談してください。














