能登半島地震の発生から2か月余り経ちますが、災害時に避難先でも市民がスムーズな通信手段を確保できるよう、新潟県妙高市の『道の駅あらい』で4日、ITを活用した実証実験が行われました。

この実験は、IT企業を傘下にもつ認定放送持株会社の「BSNメディアホールディングス」が実施したものです。
『スターリンク』とよばれるこの実験機材は、たて57cm×横51cmのアンテナを屋外に設置して宇宙にある低軌道衛星からのインターネット回線を受けることで、安定した通信を可能にするものです。

実験で設置された「スターリンク」

今回BSNメディアホールディングスでは県内外の4か所で実験を行っています。
実験会場のひとつとなった「道の駅あらい」は、災害が発生した際に避難所として市民を受け入れ、防災拠点としての役割を果たす『防災道の駅』に新潟県内で唯一選ばれているところです。

会場には妙高市の防災担当者らも訪れ、インターネットを使って動画がスムーズに再生できる様子や、AIによる救急相談アプリの稼働状況などを確認していました。

妙高市の吉越哲也総務課長は「能登半島地震でも明らかになったが、早期に通信環境を確保することが被災者の安心につながる。今回、簡易な装置で十分に通信できることが分かったので、今後も民間の協力を得ながら信頼できる情報を発信していきたい」と話していました。