中東イランで1日行われた国会議員選挙は、過去最低の投票率となる見通しです。背景のひとつには、女性に着用が義務づけられたスカーフ、ヒジャブをめぐる抗議デモへの弾圧の影響があるとみられます。現地で聞いた市民の声は。
イラン国会議員選挙は、立候補資格の事前審査で、対抗勢力である穏健派や改革派の候補者が相次いで失格とされ、市民の間には「しらけムード」が漂いました。
投票日前日に取材したイラン中部の町コムは、国教であるイスラム教シーア派の聖地のひとつで、多くの人が巡礼に訪れます。
記者
「シーア派の聖職者が集まった市民に対して、あした、選挙に行きなさいと訴えています」
選挙はイラン国民の「団結」を示すために行われると訴える聖職者。
投票を呼びかける聖職者
「イラン国民は知的であり、社会や宗教的な課題のために選挙という義務を正しく果たすのです」
しかし、一方で、女性の権利をめぐり「分断」が続いています。
きっかけとなったのは、ヒジャブと呼ばれるスカーフ。女性は公共の場での着用が義務付けられています。
イランでは、おととし9月、ヒジャブのかぶり方が不適切だとして逮捕された女性が死亡。“当局による暴行が原因”との疑惑を契機に、抑圧されてきた女性の権利を訴える抗議デモが各地に広がりました。
しかし、政府は弾圧を強め、これを抑え込みました。
それから1年半。イランでは今もヒジャブの着用義務に反対する人が多くいます。当時、声をあげた女性は…
市民
「2年前に起きたことは、本当に悲痛なことでした。なんと言ったらいいか…。投票しても何も変わらないので、選挙に行っても意味がありません」
「変化や改革が起きると思っていた人たちは、もう希望を失っています。でも、政権がこのまま続くとは誰も思っていません」
取材中にも…
記者
「ヒジャブをしていない女性に話を聞いていましたけど、私服の警察官がやってきて、取材の中断を命じらています」
批判の声は、聖職者からも。
聖職者 モハメド・アブタヒさん
「女性に権利を与えるべきです」
モハメド・アブタヒさん。過去に大統領顧問を務めたこともあります。
聖職者 モハメド・アブタヒさん
「イランには、ヒジャブの意義を理解している女性は多くいますが、『義務』として着用することに反対しているのです。政府は国民と和解しようと努力しなかった」
体制支持のバロメーターとも言われる投票率について、イラン国営通信は2日、およそ41%との予測を伝えています。
イスラム革命後、過去最低だった前回をさらに下回る投票率で、政府に対し厳しい審判が下された形です。
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