■物価高に円安 政府・日銀への恨み節も…
こちらの工場で生産しているのは自動車部品を作る際に使う工具です。
日東精密工業 近藤敬太社長
「ここまで急激に上がると、なかなか自分たちの努力だけではカバーしきれない」
原材料はレアアースなどすべて輸入品。円安の影響でこの半年で原材料が25%高騰しました。政府、日銀への恨み節も…
日東精密工業 近藤社長
「非常に舵取りとしては難しい局面だと素人ながら分かるが、もう少しマクロに、実態をみた政策をやってほしい」
■日銀は「現状維持」 政策変更せず利上げも完全否定
そして7月21日、急速に進む円安に日銀は手を打つのか…
日本銀行 黒田総裁
「現状維持とすることを全員一致で決定しました」

結局、日銀は今回も政策変更をしませんでした。急激に進む円安について…
日本銀行 黒田総裁
「急速な円安の進行は先行きの不確実性を高め、企業による事業計画の策定を困難にするなど経済にマイナスであり望ましくない」
このように話しながらも、円安阻止は日銀の役割ではなく、為替介入は政府の権限だと強調したのです。そして、注目の利上げについては完全否定しました。
日本銀行 黒田総裁
「金利を引き上げるつもりは全くありません。金利を少し上げただけで円安が止まるとは、到底考えられない」
木内氏は、日銀が政策変更をしなければ物価がこのまま上がり続けるという不安が広がりかねないと指摘します。
元日銀審議委員 木内氏
「日本銀行の硬直的な政策がずっと長く続くことによって、円安も物価高もずっと長く続いてしまうと個人も企業も考えた時に、経済にかなりダメージが及ぶ」
会見のあと円相場は再び円安が進みました。日銀への風当たりはさらに強まりそうです。