しなの鉄道に26日、地方鉄道では全国で初めてとなる、郵便局が併設された新たな駅舎が開業しました。

新たな駅舎の開業を祝ってセレモニーが行われたのは、上田市のしなの鉄道・大屋(おおや)駅。

1896年、明治29年に建てられたこれまでの駅舎は、増改築を繰り返してきましたが老朽化し、近くで営業していた郵便局も建て替えの必要があったことなどから、地方鉄道としては全国で初めて駅と郵便局の一体化が実現しました。

しなの鉄道 土屋智則社長:
「人手不足もあり、経営上の問題も多々ある中で、無人駅が増えてきている。無人ではなくて人がいる、人がいることによって皆さんの拠りどころとなることを期待している」

しなの鉄道は北しなの線も含めると7駅が無人駅で、大屋駅でもこれまで駅員を配置していたのは朝の通勤時間帯だけでした。

新たな駅舎にしなの鉄道の職員は置かず、午前9時から午後4時までの間、郵便局員が、券売機で売っていない各種フリーきっぷやシルバー回数券の販売など駅業務の一部を担います。

日本郵便信越支社 菊地元支社長:
「多くの人が利用する駅なので、来局者が多くなっていくだろうと思っているし、協業をきっかけにして、新しい商品やサービスを開発できるのではないかと考えている」

郵便局では、開業にあわせて、新旧の駅舎や歴代の車両をデザインしたフレーム切手の販売を始めたほか、観光列車=ろくもんを描いた風景などのスタンプサービスもはじめました。

利用客:
「便利、駅来たついでに。もっと小さいかと思ったのでちょっとびっくりした」
利用客:
「新しいスタンプを押してもらいに。鉄道も好きなので、鉄道も郵便局も両方、発展してほしい」

しなの鉄道では、老朽化する小諸(こもろ)駅や信濃追分(しなのおいわけ)駅についても、補助金などを活用しながら、地域と連携して建て替えを進めていきたいとしています。