3Dプリンターで義足を早く、安く…日本企業がウクライナ支援へ

そのロシアによるウクライナ侵攻から、まもなく2年。首都・キーウにあるリハビリ施設を訪ねると、多くの人の姿がありました。

ウクライナ軍の元兵士
「車の中にいたら攻撃があって、破片で足を切断しました」
戦闘の長期化で、ウクライナでは、爆撃などで足を失った人が約5000人いるといわれています。義足を必要とする人が大幅に増えた一方で、作る人が国外に避難するなどして、生産が追いついていません。

リハビリセンターオフチャレンコ所長「残念ながら、足を失う人は急激に増えているが、義足を作る人が不足している」
こうした課題に貢献する、日本の企業があります。

インスタリム徳島泰CEO
「ここが私達の研究開発のエリア。義足のための3Dプリンターそのものの開発だったり」
東京都内のベンチャー企業・インスタリム。デジタル技術で義足を作る会社です。
その工程は、まず特殊なスキャナーで足の形を読み取り、義肢装具士がソフトで設計。そのデータをもとに、3Dプリンターで作ります。

インスタリム徳島泰CEO
「(メリットの)1つは、製作時間がめちゃくちゃ早い。通常1か月かかっていたところが(最短で)1日になるのと、コストがかなり安くなる。
もう1つは、1人の義肢装具士・プロフェッショナルが、たくさんの義足を作れるようになる」
デジタル技術を駆使することで、日本で40万円かかる義足が、10分の1の価格に。フィリピンやインドで、これまでに約2700本届けられてきました。

この義足の技術を、ウクライナの人たちに役立てられないか。徳島さんはウクライナを訪れ、現地の企業に技術を提供し、協力していくことを決めました。

インスタリム徳島泰CEO「再起しようとしても、義足がないから働けない人が大量にいるという状況なので、まずは希望を持ってほしい。
最終的にはウクライナの国全体が明るい未来を取り戻すことを目指して、今僕たちは、その1人1人の方たちに対して義足を提供していくことができればと思っている」
義足を通じて、ウクライナの復興を。早ければ2025年から、ウクライナでの製造・販売を目指しています。