サッカーEAFF E-1選手権決勝大会の初戦、香港戦(19日)に6-0で勝利した男子日本代表。試合後、森保一監督(53)がある選手を賞賛した。
「ピッチ内外を含めてチームとして機能するために彼が持っている選手としてのクオリティ、キャラクターの部分も最大限活かしてくれた。彼が人と人をつないでくれたことによってチームとして機能していた」
そう指揮官が語るのは、現在、J1で首位を走る横浜F・マリノスのMF・水沼宏太(32)だ。Jリーグの黎明期に横浜マリノスで活躍した元日本代表、水沼貴史さん(62)を父に持ち、今回の代表活動で最年長選手ながら初招集を勝ち取った。
この日はノーゴールに終わったが、水沼はピッチを縦横に駆けまわり、質の高い右足のボールを何本も供給。守備でも粘り強く相手を追いかけた。さらに味方がゴールを決めれば、自らが遠い位置にいても祝福に駆け付ける。試合中は何度も大きく声をあげ味方を鼓舞し、後半19分にベンチに下がる際にはチームの同僚、FW・宮市亮(29)ら3人の交代選手たちにゲキを飛ばすなど最後までチームのために尽くした。
相手はFIFAランク145位と格下の相手ではあるものの、水沼は自らの特徴である「日本人屈指の精度を誇る右足のボール、明るさ、前向きさ」を存分に発揮、上々のデビューを果たしたと言えるだろう。声出しエリアのサポーターからは「水沼宏太」の名前が何度も叫ばれた。
アンダー世代では代表の常連だった水沼。しかし2012年ロンドン五輪の本大会メンバーの選考から漏れて以降は、代表に縁が無かった。それでも様々なクラブを渡り歩きながら、泥臭くプレーをする中で実績を積み上げてきた。
そんな水沼の今シーズンは、さらにその姿に磨きがかかったように見える。昨シーズンは出場36試合の内、スタメン出場が1試合。途中出場が多い中でも3ゴール9アシストの成績を残していたが、今シーズンは22節を終えた時点で4ゴール6アシスト。スタメンの試合は19試合中12試合と、すでに昨年以上の成績を残している。
さらに今シーズンはプレー以外の部分にも変化が。F・マリノスで着用するユニフォームの背中の名前を「KOTA」から父が背負っていたのと同じ「MIZUNUMA」に変更している。
開幕前の2月、水沼にその理由を聞くと「チームは30周年。父がマリノスのエンブレムを背負ってプレーをしていたので、30年後に僕が"水沼"を背負って、"マリノス"を背負って頑張りたいなと思い、この名前を背中に入れた」と明かし、はにかんだ。
「やっぱりチームがいい方向に行くために、何が必要かというところをしっかり試合中でも分析して、皆に声をかけることは意識している」と自身の役割を認識する水沼。「僕自身もポジティブな声をかけられたら、もっともっとやってやろうという気持ちになる。とにかくチームがいい方向にいくようにすることを考えている」と語る。
そんな男がようやくつかんだA代表の舞台。初となったメディア対応の場では「サッカー選手である以上、目指してきた場所なので初めて入ったことはすごく嬉しく思う。でも、自分が目指してきたところはこれで終わりじゃないし、これがスタートラインだと思ってやっていきたい」と喜びを表しながらも、気を引き締めた。
大会も残りは2試合。「初めてこのチームに入ったので、自分がまとめる立場ではないかもしれないが、年長者らしく、皆と沢山コミュニケーションをとって、短い期間だが先につながる大会にしないといけない。皆がアピールの場と考えていると思うが、とにかくこのチームで結果を残さないと"この先"はないと思っているので。皆で一体感持って戦えるような集団の一員になれればいい」。“水沼らしさ”を出して戦うことを誓った。
A代表のフルメンバーにはない高精度の右足、そして持ち前の明るさ。
水沼宏太という男が今年11月に開催されるカタールW杯本大会メンバー26人に名を連ねることはできるのか。E-1選手権の残り2試合、水沼宏太の挑戦は続く。
注目の記事
なぜZ世代は、SNSで連絡先交換するのか「写真でどんな人か分かる」「いきなりLINE交換は驚く」「3アカウント使い分けて…」通信で変わる“人間関係”

4億3409万6000円(1等5口)出た!「ロト6」大島イータウンチャンスセンター “全国の1等9口のうち5口も” 富山・射水市

初代トヨタ・ソアラで「未体験ゾーン」へ、期間限定レンタカー始まる 80年代ハイソカーブーム牽引の名車、最上級グレード2800GT-Limitedの上質な走りを体感

“空き缶拾い”で生きる男性に密着 無断での持ち去りは50万円以下の罰金へ…名古屋市の「禁止」条例がことし4月に施行

立憲・公明が「新党結成」の衝撃 公明票の行方に自民閣僚経験者「気が気じゃない」【Nスタ解説】

宿題ノートを目の前で破り捨てられ「何かがプツンと切れた」 日常的な暴力、暴言…父親の虐待から逃げた少年が外資系のホテリエになるまで 似た境遇の子に伝えたい「声を上げて」









