■プロ野球 オリックス2-0日本ハム(20日・京セラドーム大阪)

オリックス1年目の椋木蓮(22・むくのき れん)がプロ2度目の登板で、9回2死までノーヒットノーランのピッチングも、快挙達成直前で代打・佐藤龍世(24)にセンター前ヒットを打たれ、マウンドを降りた。

達成ならば史上87人目のノーヒットノーランだったが、惜しくも快挙はお預けに。今年に入ってノーヒットノーランは、4月10日に完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希(20)、5月11日のソフトバンク・東浜巨(31)、6月7日に達成したDeNA・今永昇太(28)、6月18日のオリックス・山本由伸(23)。椋木は東北福祉大から昨年のドラフト1位でオリックスに入団し、7日の西武戦がプロ初登板で初勝利を挙げていた。

コロナ感染で登録選手を10人入れ替えた日本ハム戦に、プロ2度目の先発をした椋木。立ち上がりからストレートとフォークの組み立てで、3回までに7つの三振を奪うピッチング。
中盤に入ると一転、打たせて取る投球で9つのアウトのうち6つがフライとバットの芯を外す投球術で日本ハム打線を翻弄した。

6回終了時点で球数は82球、今までプロでは投げたことのない7回のマウンドに立つと先頭の近藤健介(28)に四球を与えるが続く野村佑希(22)をサードゴロで併殺打、ピンチを切り抜けた。8回に入っても変化球のキレが良く、ヌニエス(28)をフォークで空振り三振、続く木村文紀(33)をカットボールで空振り三振を奪った。

8回を終わって球数は104球、未知のイニングでプロ入り最多の球数、9回、先頭の石井一成(28)を1球でライトフライに打ち取った。代打・万波中正(22)をカットボールで空振り三振、ついに快挙まであと1人、本拠地・京セラドームも大歓声に包まれた。

そして、代打・佐藤龍世(25)カウント2-2からこの試合の116球目、スライダーが甘く入りセンター前へヒット。マウンドでうなだれる椋木、大記録を逃しファンは大きなため息に包まれたがここまで好投したルーキーに大きな拍手が送られた。

試合後、椋木は「100球を超えることも今季初で、最後は一番ダメな球がいきました(笑)。三振を狙おうと欲が出てしまいました。体力もなくまだまだだなと思いました」と自身のピッチングを振り返った。