俳優の若村麻由美さん、岡本圭人さん、岡本健一さん、演出のラディスラス・ショラーさんが『La Mère 母』『Le Fils 息子』製作発表会に登壇しました。

本作は、フランス演劇界をけん引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレールによる「家族三部作」の内の2つ。家族の在り方、親と子の苦悩、孤独を描いた物語です。日本初演となる『La Mère 母』と再演となる『Le Fils 息子』は同時上演され、全く異なる2作品を同じ役者が同じ役名で演じます。

『La Mère 母』『Le Fils 息子』製作発表会



世界で初めて「家族三部作」をアンヌ役でコンプリート上演する若村さんは”「Le Fils 息子」が再演。再演できるということは私たち演劇者にとって特別なことで、それぞれの時間を過ごした役者たちがもう一度同じチームでもっと高みに臨めるということ。両方を同時に上演するということは、新たな『La Mère 母』にいい影響を与えてくれると思うので、これからの稽古がすごい楽しみ”と語りました。

岡本圭人さん



2021年に上演された『Le Fils 息子』が初舞台だった岡本圭人さんは”俳優としての第一歩目、憧れの父親と初めての舞台親子共演で印象的なことは沢山ある”と振り返りながら”初日の15分くらい前に父親が楽屋まで来て良い言葉をかけてくれた。「これからお前の新しい人生、新しい道が広がっていく。だから自分を信じてこれからもやっていってほしい」って。今じゃないでしょ。これから不安定な役を演じるのに、自分が満たされて涙が出そうになって印象的だった。でも、父親は悪くないです。”と、会場を笑わせました。

岡本健一さん



作品の魅力について岡本健一さんは”舞台は生。この作品をいかにお客さんに届けるかっていうことしか考えていない。この作品は人間の中で大切なことを描いていて、楽しいだけの舞台じゃない。この役を演じるのは辛いけどみんなが一番見せたくないものを見せざるをえない家庭環境をシンプルな言葉で届けている。この作品で自分たちが何を伝えたいのかしか考えていないので、本当にいろんな人に若い人にも男性にも観て欲しい。親子共演で息子さんと一緒で幸せで楽しそうですねって言われるけど、そんなんじゃない。作品を届けることになると本当に遊んでいられない。”と熱い思いを語りました。

若村麻由美さん



舞台上で親子を演じる健一さんと圭人さん。健一さんが作品を見て「対話をするきっかけになってほしい」と語ったことから「最近の親子での対話」について質問されると、圭人さんは”全くしていないです。父親の舞台やライブを観に行って感想を話したりするくらい。何かしてくれたっけ?”と、健一さんに尋ね、健一さんは”舞台の公演に来て、話をして今日2、3週間ぶりに会って、タンブラーをプレゼントでもらいました。ちょっと嬉しかった。プレゼントくれるんだって”と照れ笑い。

圭人さんは”若村麻由美さんとは初演から、ハムレット、ラヴ・レターズと何度か共演していて、麻由美さんの方が父親より会っています。”と話し、会場を笑わせました。


【担当:芸能情報ステーション】