シリーズ「現場から、」です。能登半島地震による断水で、休業を余儀なくされた富山県氷見市のすし店。地域に支えられながら、二人三脚で歩む夫婦を取材しました。

石川県との県境に近い富山県氷見市。2769棟(2月14日時点)が住宅被害を受け、市内全域で断水となりました。

この地で45年にわたり、すし店を営んできた山本康雄さん。あの日から、断水で休業を余儀なくされました。

山本康雄さん
「もうこれだけになってしまいました」

親族からもらっている水も底をつきかけていました。

山本康雄さん
「幸町、中央町、市街が大丈夫になったみたい」
妻 厚子さん
「残念。まだだわ」
山本康雄さん
「もう少し待ちますか」

そんなことを話していると…

氷見市の男性
「こんにちは。お水どうぞ」
妻 厚子さん
「お水どうぞ?どちら様でしょうか?」
氷見市の男性
「氷見の者ですけど、ネットニュースで水なくて困っているとみて」
山本康雄さん
「ありがとうございます」
妻 厚子さん
「みなさんのおかげで生活しています」

思いがけないやさしさが、心にしみます。

山本康雄さん
「ありがたいことやね」

地震から9日後の先月10日。ついに、水が…

妻 厚子さん
「とっても幸せです。なんやろ、うれしいです」

そして、営業再開当日。まずは、魚の仕入れから。あの日まであった日常の風景が戻ってきました。

再開後、最初の客は毎週金曜日に来る地元の常連客でした。

再開初の常連客
「さみしかった。毎週来とるがに、週1回の楽しみやったん」

その後も続々と常連客が…

山本康雄さん
「なんできょうからかといったら、あんたが来るからきょうから」

山本康雄さん
「今までいろんなことありましたけど、自分でできる範囲のことをコツコツと、というのが自分のモットーですから。今からもそうやって生きていきたいと思います」

地元の人たちの笑顔を取り戻すために…。山本さんはきょうも、すしを握り続けます。