17日、フリーアナウンサー・笠井信輔さんが自身のブログを更新。ステージ4の「すい臓がん」を公表し、漫画家・倉田真由美さんの夫で、16日に亡くなった映画プロデューサー・叶井俊太郎さんへの思いを綴りました。
笠井さんは、2019年に〝血液のがん〟とも言われる「悪性リンパ腫」と診断され、2020年6月に「完全寛解」したことを公表しています。

笠井信輔さん



笠井さんは、ブログで「ベテランの映画宣伝担当者なら知らない人はいない
伝説の映画宣伝マンと言える叶井俊太郎さんが、天に召されて逝きました 56歳、若すぎます」と書き出して「膵臓がんの末期がんでした」と、投稿。
続けて「1ヵ月ほど前にお会いして覚悟はしていたんですが 深い悲しみの一方で、ある種の安堵感とでも言うのでしょうか 叶井さん、やっと逝けたねと言う複雑な思いが交差しています」と、1か月ほど前に叶井さんと会っていたことを明かし、自身の複雑な心境を綴っています。

倉田真由美さん・叶井俊太郎さん




そして、叶井さんを「ナンセンス映画宣伝、プロデュースの帝王と言える人」とし、「『えびボクサー』『いかレスラー』『かにゴールキーパー』『日本以外全部沈没』『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』などなど」「もう、タイトル見ただけでB級ナンセンス映画だとわかるものばかり(笑)それが叶井さんのスタイルでした」と、叶井さんが手がけた映画の写真とともに紹介。「若いころ、叶井さんとは映画業界の同志のような関係でした。」としています。

また、2001年に叶井さんが買い付けた映画「アメリ」が大ヒットし、会社を立ち上げたこと、自身の番組で叶井さんと共演したことなどに触れ「最近は連絡をとっていなかったのですが、二人ともがんのステージ4になった 気にならないわけがありません」と記しています。

その後、対談番組からの連絡で「叶井さんが笠井さんとお話ししたいと言ってます」と、仕事の依頼があったことを明かし「体調がいつ急変するかわからないからと年明けすぐに対談収録日がきまりました」「しかし、やはり前日に体調不良のため撮影はキャンセルとなったのです」と、予定していた対談番組の収録がキャンセルになったことを明かしています。

ただ、スタッフから叶井さんが1月11日に自身が手がけた映画の試写会に参加すると聞き、「そんな体調で本当に参加できるのか?半信半疑で当日、試写会場に伺うと」「来てた!会えた!嬉しかった!」と、叶井さんと対面できたことを報告。

笠井信輔さん 公式ブログから引用



その時の様子について、笠井さんは「叶井さんはぎりぎりの状態でした『さっきも、吐いちゃってさ。もう帰ろうかと思ってね』そこまで無理して彼が公開を見届けた作品は『唐獅子仮面』 叶井さん、ブレてない!」「末期がんが分かって『なにか世のために、命と向き合う作品を』って考えそうじゃなですか!でも叶井さんはお客さんに『笑ってもらおう』という姿勢を、全く崩していませんでした『映画を愛し抜いた男』ってこういう人のことを言うのです」としています。

そして、その日に10分ほど2人だけで話した事を明かし、叶井さんが(がんの)治療をやってないことを聞いた笠井さんは、「末期なので抗がん剤治療をすれば、最後まで入院は確実という状況から、自らどう生き抜くかを考えたのだと思いました」「『唐獅子仮面』の試写会に立ち会えたのは、治療をやめたからできたともいえるのです」と記しています。

倉田真由美さん・叶井俊太郎さん




また、叶井さんから「もう、早く死にたいんだよね」と言われた時、笠井さんは「どう、答えていいかわかりませんでした」「普通なら『そんなこと言わないで』『あきらめないで』と返すところでしょう」とし、「しかし、叶井さんの『それ』は、あきらめからくる『それ』ではないとわかったから」と綴っています。

続けて「叶井さんは、自分の人生を十分生き抜いた」「まだまだ若い56歳ですが、短い人生を太く太く精一杯、思い残すことがないくらい生き抜いた」「その信念のようなものを感じたからです」「自分の人生の着地をしっかりと見据えていると感じました」「叶井さんの人生は、なかなかほかの人ではまねできるものではない激烈なものでした」「その人生を自分自身の決断で全うすることを尊重してれあげなければと、その時、私は強く感じたのです」「だから…『あきらめないで』と言えなかった」と、当時の心境を明かしています。

叶井俊太郎さん・倉田真由美さん




そして「倒れそうな佇まいの中で出た『死にたい』という言葉がこんなにも力強い響きになるんだ」とし、「ご家族は、まだまだ長く生きてほしかったと思われていると思います それも当然です おつらい気持ち察します」とした上で、「しかし、私は、久しぶりに会った映画業界の仲間として、天に向かって言いたいのです 叶井さん、山あり谷ありでしたが素晴らしい映画人生でした」「あれだけ映画を愛し抜いた人です 天国からいつものように豪快に笑って、僕ら映画人のことを長く見守っていてください これからは、安らかに」と、叶井さんへの思いを綴っています。



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