今月新たにウクライナ軍のトップに就任したシルスキー総司令官がロシアとの戦闘について、「攻勢から防衛に切り替えた」と話しました。

ウクライナメディアによりますと、シルスキー総司令官は13日に公開されたドイツ公共放送のインタビューで、「ロシア軍はすべての前線で攻撃をしかけていて、戦況は困難で緊迫している」と苦境を明かしました。

そのうえで、「ロシア軍を疲弊させるため、我々は作戦を攻勢から防衛に切り替えた」と述べ、要塞の構築など防衛作戦を強化する方針を示しました。

また、シルスキー総司令官は就任後初めて、東部・ドネツク州の前線を視察したことを明かし、自身のSNSで「ロシア軍の兵力の数が優位に立っている」と分析しました。

こうしたなか、ウクライナでは15日もロシア軍によるミサイル攻撃があり、全土で空襲警報が出されました。

西部リビウではエネルギー施設が攻撃を受け、火災が発生。州知事などによりますと、3人が負傷したということです。

一方、ウクライナと国境を接するロシア西部・ベルゴロド州で、15日、ウクライナの攻撃があり、1歳の女の子を含む7人が死亡、18人がけがをしたと地元州知事が発表しました。

また、ロイター通信によりますと、隣のクルスク州では石油貯蔵施設にウクライナの無人機攻撃があり、火災が発生しました。死傷者はいないということです。