中学3年生の赤嶺悠真さんは、人よりも音が大きく聴こえるなどの聴覚過敏や自閉症の特性がありますが、中部農林高校の相撲部に通い、日々稽古に励んでいます。胸を貸してくれる憧れの先輩に近づこうと奮闘するなかで、障がいを乗り越えていく姿がありました。
心身にハンディキャップがある少年が相撲をする理由
赤嶺悠真くん
「おはようございます」

送迎の車を降りるなり、顔をしかめるのは、うるま市に住む中学3年生の赤嶺悠真くん。耳栓をした上から、さらに手を当てます。
「ワンワンワンワン!」
すぐ隣には校内で飼育されている犬の鳴き声。悠真君の『最も苦手な音』の一つです。
そんな難所を潜り抜けてでも、毎週末通うのは中部農林高校相撲部。県内屈指の選手を擁する名門でありながら、相撲のすそ野を広げようと小中学生の練習も受け入れています。
悠真君も小学校の頃から、高校生の先輩達に憧れ、胸を借りてきました。
相撲部の先輩
「ナイスファイト」

練習中は隣の犬小屋がどれだけ騒がしくても、不思議と気にならないといいます。
そんな彼の課題のひとつがー
中部農林高校相撲部 和宇慶忠勝監督
「前に行け!前に行け!あぁ~惜しいなぁ。投げられるのを怖がって前に行ったら、余計に投げられてしまうから、もう投げられるの怖がらなくていいから。どんどん前に出ていった方がいいよ」
小学生の公式戦で怖い思いをして以来、思い切りよく懐に飛び込むのが苦手です。

赤嶺悠真くん
「いやぁ、キツイっすね。理想は腰を低く。あと脇もしめて。こんな感じです」