アメリカがウクライナに供与した10億ドル分=およそ1450億円相当の軍事支援物資について、アメリカ当局が適切に追跡できていないことが明らかになりました。
アメリカ国防総省は11日、ウクライナに供与した軍事支援物資に関する監察官の報告書を公開。適切に保管されたり、使用されたりしているか把握することが義務付けられているおよそ17億ドル分の軍事物資のうち、10億ドル分=日本円で1450億円相当について、追跡ができていないと明らかにしました。
ウクライナ側の人員不足や手続きが整備されていないこと、また、戦闘の状況から確認作業が難しいことが原因だとしていて、供与した軍事物資が盗まれたり、横流しされたりするリスクがあると指摘しています。
ただ、国防総省の報道官は11日、「アメリカが供与した武器が、ウクライナから不正に持ち出された証拠はない」としています。
アメリカ議会では、野党・共和党がウクライナへの支援について、適切に使われているか検証する必要性を訴えていて、バイデン政権が求めている追加のウクライナ支援予算の審議に影響を与えそうです。

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