日本企業に対し、韓国人の元徴用工らに賠償するよう命じる判決が、また新たに1件、韓国の最高裁で確定しました。日本企業に賠償を求める判決が確定したのは、これで合わせて9件になります。
この裁判は、韓国人の元徴用工が戦時中に労働を強制されたなどとして日本製鉄に対して損害賠償を求めたものです。
1審と2審では原告が勝訴していましたが、きょう午前、韓国の最高裁は企業側の上告を棄却し、賠償を命じる判決が確定しました。
元徴用工らによる一連の裁判をめぐっては先月も5件で判決が確定していて、これで合わせて9件で日本企業に賠償を求める判決が確定したことになります。
韓国政府は去年3月、一連の裁判で勝訴が確定している原告に対し、「政府傘下の財団が賠償金を代わりに支払う」という解決策を発表しましたが、一部の原告が受け取りを拒否するなど手続きは難航しています。
一方、去年末の裁判で日立造船に対する勝訴が確定した韓国の原告側は10日、日立造船が韓国の裁判所に預けていた供託金の差し押さえを申請しました。
供託金は、日立造船が2019年1月に韓国国内にある資産の差し押さえなど強制執行を防ぐ目的で預けた6千万ウォン、日本円にして660万円ほどで、原告側は賠償金としての受け取りを目指しています。
元徴用工訴訟をめぐり日本政府は1965年の日韓請求権協定により請求権の問題は「完全かつ最終的に解決」したという立場で、これまで日本企業は賠償金の支払いに応じていません。
裁判所が原告側による供託金の受け取りを認めれば、日本企業の資金が原告側に渡る初めての事例となります。
これに対し韓国メディアは、日本政府などが反発する可能性があると指摘した上で、「日韓関係に及ぼす影響が注目される」としています。

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