軍需工場を視察した北朝鮮の金正恩総書記が、韓国を「最も敵対的な国家」とした上で、「戦争を避ける考えは全くない」との認識を示しました。
けさの北朝鮮メディアは、金正恩総書記が8日と9日に、朝鮮労働党の幹部らとともに重要軍需工場を視察したと伝えました。
その際に、金総書記は、韓国を「最も敵対的な国家だと規定すべき歴史的な時期が到来した」と述べ、「主な敵」と断定したとのことです。
また、「戦争を避ける考えは全くない」とし、「戦争準備態勢」を万全にするよう指示しました。
金総書記は、去年の年末に行われた党中央委員会総会で、韓国を平和的な統一の相手と見なさないと宣言していました。今回の発言について、韓国メディアは、金総書記が2021年に「我々の主な敵は戦争そのもの」としていたことを挙げ、「北朝鮮が韓国を“主な敵”と断定するのは異例」だと伝えています。
一方、北朝鮮メディアの報道を受け、韓国で北朝鮮政策を担当する統一省は、「韓国が抑止力を強化していることを恐れ、焦っているのを間接的に証明するものだ」と指摘。「北朝鮮の体制に対する住民の不満を外部にそらし、韓国社会を揺さぶろうとする旧態依然とした戦術にすぎない」と非難しました。
北朝鮮は今年に入り、軍事合意で緩衝区域となっていた韓国の延坪島近くで砲撃を繰り返し、韓国軍も緩衝区域での射撃訓練を再開すると表明していて、南北間の緊張が高まっています。

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