韓国取引所は取引時間を夜間まで延長する。アジアの主要市場では異例の取り組みで、海外投資家から持続的な需要を取り込めるかが焦点となる。

24時間取引の実現を目指す韓国取引所は14日から、ほぼ全ての国内株について午後8時まで取引可能にする。通常取引は午後3時30分に終了する。アジアの主要取引所では初の試みだが、ナスダックやニューヨーク証券取引所(NYSE)が主導する世界的に広がる終日取引の流れに沿った動きだ。

韓国株は今年、AIへの期待を背景に世界でも突出した上昇を記録した。韓国取引所は欧州の取引時間帯を中心に、海外投資家の参加をさらに拡大したい考えだ。今回の取引時間延長では、長時間の取引でも十分な流動性を維持できるか、また韓国株への関心が冷める中でも、投資家が延長された取引時間を実際に利用するかが試される。

ピクテ・アセット・マネジメントのシニア投資マネジャー、イ・ヨンジェ氏(ロンドン在勤)は「取引時間が長くなるほど、一般的に投資家の柔軟性が高まり、市場の効率性も向上する」と指摘。「売買回転率が高く、より取引重視の投資家やヘッジファンドなどは、より頻繁に利用する可能性がある」と述べた。

韓国で時間外取引そのものが初めてというわけではない。代替取引システム(ATS)のネクストレードは2025年3月、約600銘柄を対象に寄り付き前と夜間の取引を導入。開始から数カ月で全取引の3分の1近くを占めるまでになった。

韓国取引所の今回の措置はさらに踏み込み、韓国総合株価指数(KOSPI)とコスダック指数の約2400銘柄について、空売りを含む夜間取引を可能にする。上場投資信託(ETF)は当面対象外。27年末までに寄り付き前取引も開始する計画だ。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)の韓国株式営業責任者エドワード・キム氏は「韓国資本市場の進化と海外投資家によるアクセス改善に向けた、さらなる一歩だ」と話した。

流動性の配分変化

新たな取引時間の開始直後から売買が増えるとみる向きは少ない。十分な取引量を呼び込めるかが引き続き大きな課題となる。外国為替市場が7月に取引時間を延長した際も、延長時間帯では流動性が乏しかった。

KOSPI指数はAIブームを背景に今年、ピークまでに2倍余りに上昇したが、投資家心理が急速に悪化し、7月には22%下落。売買代金も大幅に縮小した。それでも年初来64%高で、主要株価指数ではなお世界首位の上昇率となっている。

ラウンドヒル・ファイナンシャルのデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)は、海外ファンドはサムスン電子やSKハイニックスなど大型株について、夜間に十分な買い手と売り手がいるかを見極めてから大口取引に動く可能性が高いと指摘した。

マッツァ氏は「取引時間を延ばしても流動性が生み出されるわけではない。流動性の配分が変わるだけだ」と述べ、当初の利用は限定的になるとの見方を示した。

流動性の乏しさは価格形成にも影響し得る。クレプシドラ・キャピタル創業者のパク・サンヒョン氏は、薄商いの夜間市場で大量の株式を売買すれば、想定を大幅に上回る価格で買ったり、想定より安値で売ったりするリスクがあると指摘した。

パク氏は「最大のリスクは、流動性の低い市場で身動きが取れなくなることだ」と述べた。

原題:Korea Tests Global Investor Appetite With Longer Trading Hours(抜粋)

--取材協力:Winnie Hsu、Hooyeon Kim.

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