任期満了に伴う沖縄県知事選は13日、投開票が行われ、自民党などが推薦した保守系の元那覇市副市長、新人古謝玄太氏(42)が当選した。同党にとっては12年ぶりの県政奪還となり、高市早苗首相の政権運営にとって追い風だ。

古謝氏は自民、日本維新の会の与党に加え、国民民主、参政、日本保守の各党からも推薦を受け、3期目を目指した現職の玉城デニー候補(66)らを破った。両氏の事実上の一騎打ちとみられたが、得票数は古謝氏が約42万3000票、玉城氏が約27万6000票と約15万票の差がついた。

今回の知事選は2月の衆院選で大勝した自民の勢いを占う試金石だった。3月の石川県知事選や6月の東京都杉並区長選など地方選で取りこぼしも相次いでいた。沖縄県知事選の勝利を受け、首相は近く内閣改造・党役員人事を行う方針だが、政権基盤の強化につながるかが焦点だ。

高市首相は14日、選挙結果について「経済成長を求める沖縄県民の意思が反映された」と指摘。新知事と連携しながら、「沖縄経済を強くするために私も力を尽くしたい」と述べた。その他の課題については「また新しい知事の意見を聞きながらしっかり対応する」とした。官邸で記者団に語った。

今回の知事選では、米軍基地問題より経済が焦点となっていた。背景には、南西諸島周辺で活動を活発化させる中国を念頭に、防衛力強化への県民の抵抗感が薄れていることがある。古謝氏は県民1人当たり所得を今後10年で約2倍の500万円に引き上げることなどを掲げていた。同氏は沖縄が日本に復帰した1972年以降に生まれた初の知事となる。

元自民党職員で政治評論家の田村重信氏は同知事選について、古謝氏が経済対策を前面に打ち出したのが「大きな勝因」と分析する。大票田の那覇市で多く得票できたことや野党の対応が割れたことも挙げた。来年春の統一地方選への好影響も期待できるため、高市首相の政権基盤が「安定するということになる」との見方を示した。

選挙結果は日米同盟強化を掲げる高市政権の安全保障政策にとってもプラスとなる。玉城氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対を訴えてきたが、古謝氏は容認の立場だ。沖縄県は台湾に近く、駐留米軍施設・区域の約7割を抱える地政学的要衝に位置する。

木原稔官房長官は14日の定例会見で「沖縄の基地負担軽減は政府の最重要課題の一つ。引き続きできることは全て行う」との見解を示した。その上で、辺野古への移設が「政府として唯一の解決策ということに変わりはない」との立場を繰り返した。また、普天間飛行場の返還時期は「米国と緊密に連携したい」と述べた。

(最終段落に木原官房長官の発言を追加し、更新します)

--取材協力:梅川崇.

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