インフレ圧力が強まる中、日本銀行が今月の金融政策決定会合で政策金利を0.25ポイント引き上げる方向に傾いているにもかかわらず、ウォール街のストラテジストの間では、最近の円高が持続するかどうかで見方が分かれている。

米銀ウェルズ・ファーゴは、日銀が市場の予想以上に追加利上げを進めるのは難しく、円の一段高も限定される可能性があるとみている。JPモルガン・チェースは、円高そのものによって、日銀が利上げに動く必要性が薄れる可能性があると指摘している。

一方、6月の時点で円のロングを推奨していたバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、日銀が予想通り金融引き締めに動けば、円の新たな上昇材料になるとみている。

円は9日、一時0.5%高の1ドル=153円25銭まで上昇した。8日には2月半ば以来の高値を付けていた。

円相場を巡るストラテジストの見方は以下の通り。

ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、エリック・ネルソン氏

日銀の利上げの道筋と円に関して、「市場の織り込みを上回るのは非常に難しいだろう

JPモルガンのグローバル為替戦略共同責任者、ミーラ・チャンダン氏

「日本側は、これまでの水準からさらに大幅な円安が進むことは望んでいないだろうが、大幅な円高も望んでいない」

「従って150円台前半に近づくにつれ、円がさらに上昇するハードルは高くなる。米連邦準備制度もタカ派姿勢を取っている状況では、なおさらだ」

BofAの為替ストラテジスト、アレックス・コーエン氏

「日銀が利上げペースを加速させることが重要で、円高の前提条件になる」

「円が現在の水準付近にとどまれば、日本の輸出企業による資金の国内還流が始まる可能性があり、新たな円高材料になり得る」

マニュライフ・インベストメント・マネジメントのマルチアセットソリューションズ・チームのネイサン・スフト最高投資責任者(CIO)

日銀当局者が追加引き締めの可能性を引き続き排除しない姿勢を示せば、円は引き続き下支えされるとみている。

「今度は日銀がそうした市場の期待に応えられるかが問われる。特に年末までにさらに2度目の利上げがあるかどうかが焦点だ」

シティグループの高島修、ダニエル・トボン、ブライアン・レビン各ストラテジスト

円の方向性は、米連邦準備制度が来週どう動くかにかかっているとリポートで指摘。

「現在のドル・円の下落基調が続けば、152円前後まで下げる可能性がある」

「それでも米連邦準備制度が利上げすれば、ドル・円が155円を下回る水準に定着するのは難しいだろう」

原題:Wall Street Strategists Are Split on Outlook for Yen’s Rally(抜粋)

--取材協力:Naomi Tajitsu.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.