新興国企業の利益予想が過去最速のペースで上昇している。米ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の設備投資から恩恵を受ける企業について、アナリストが予想を引き上げている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、MSCI新興国市場指数を構成する企業の今後12カ月の平均利益予想は7日まで19営業日連続で上昇し、年初来の伸びは65%に達した。これまで過去最高だった2009年の記録をほぼ2倍上回る。勢いは強く、6月19日以降、予想が引き上げられなかったのはわずか1日だけだった。

投資家は、急速に拡大する世界のAIサプライチェーンに関連する銘柄へ資金を振り向けている。今年前半は、韓国のSKハイニックスとサムスン電子、台湾積体電路製造(TSMC)の3社が株高と利益予想の上方修正を主にけん引していたが、ここ数カ月で恩恵を受ける企業の裾野が広がった。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントでソリューション・マルチアセット部門の副最高投資責任者を務めるジタニア・カンダリ氏(ニューヨーク在勤)は、「ハイパースケーラーの設備投資は、インフラ企業の売上高になる」と指摘。「ハイパースケーラーによる設備投資が続いていることを示す決算データが材料になっている」と述べた。

半導体から電力機器、データセンター用ラックまで、AI投資ブームの恩恵を受ける企業の株高が、MSCI新興国市場指数を年初来25%押し上げている。1月1日から9月8日までの上昇率としては、17年以来最大となった。

業種別では、IT株の利益予想の伸びが最も大きく、年初来214%に達した。韓国SKスクエアなど一部のAI関連銘柄を含む資本財・サービス株は72%増。素材株は32%、エネルギー株は38%それぞれ上昇したことが、ブルームバーグの集計で分かった。

新興国市場は、先進国の財政悪化や、中東紛争を背景に高インフレが長引く恐れを懸念する世界の投資家にとって、有力な投資先となりつつある。

一部の新興国では実質金利が高く、財政状況も比較的健全なため、より高い利回りが得られる上、主要債券市場を揺さぶるボラティリティーを乗り切る受け皿にもなっている。

原題:Emerging-Market Profit Estimates Climb at Record Pace on AI Boom(抜粋)

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