(ブルームバーグ):トランプ米政権は、19日に発動予定のカナダに対する米国の新たな関税を回避するため同国と土壇場で合意するとの期待を抑えている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
非公開の協議について匿名を条件に語った関係者によると、米国は18日に合意できる可能性は五分五分か、それ以下との見方を非公式に示している。両国は、数十億ドル相当のカナダ製品に50%の関税が発動される前の同日深夜に期限を迎える。
こうした見方が交渉の実情を示しているのか、交渉力を高める狙いなのかは明らかではない。貿易相手国に土壇場で要求を突き付けることが常態化しているトランプ氏は18日午後、カーニー加首相と協議した。加首相府が電子メールで発表したが、詳細は明らかにしなかった。両首脳は17日にも電話会談した。
関係者の1人によると、米国はカナダに対し、自国側が最善と位置付ける案を提示した。ホワイトハウス、グリア米通商代表部(USTR)代表の事務所はいずれもコメント要請にすぐには応じなかった。
関税が発動されれば、長年の同盟国である米国とカナダの関係に新たな打撃となる。両国関係は、トランプ氏が昨年大統領に復帰して以降、緊張が続いている。トランプ氏は2期目の就任当初からカナダとメキシコに関税を課し、自身が1期目に交渉した北米の貿易協定について、むしろ破棄したい意向も示唆している。
こうした通商措置を受け、カナダでは米国への反発が広がっている。州政府は小売店から米国産酒類を撤去し、多くのカナダ人が米国旅行をキャンセルしたり、控えたりしている。
これまで一度も使われたことのない1930年関税法338条に基づく関税発動の構えは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)として知られる北米貿易協定の見直しが進む中、カナダへの圧力を強める狙いがあった。
カーニー首相は、米国が新たな関税を課した場合、貿易上の報復措置を含め、あらゆる選択肢を排除せず対応すると表明している。カナダの交渉担当者は米側に対し、338条に基づく関税を発動すればカナダ国内の世論の反発を招き、カーニー氏が譲歩を巡る交渉を続けることが事実上できなくなると警告している。
自動車分野の扱いが交渉の大きな争点となっている。
米国が協議時間を確保するため関税発動を延期する可能性はあるものの、事情に詳しい複数の関係者は、その可能性は低いとの見方を示した。
カナダは、338条に基づく関税案の発動延期と、自動車や鉄鋼などの分野に対する既存関税の緩和を求めている。トランプ政権はカナダに対し、米国産酒類の不買措置やその他の報復措置を撤回し、米国の乳製品生産者にカナダ市場への一段のアクセスを認めるよう求めている。
原題:US, Canada Dig In on Tariff Negotiations as Deal Hopes Fade (1)(抜粋)
(米加首脳の協議実施について追加して更新します)
--取材協力:Brian Platt.
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