(ブルームバーグ):18日の日本市場では長期金利が1996年以来の高水準を連日で更新した。中東情勢の緊迫化による原油高や政府債務の膨張を背景とした世界的な金利上昇の流れが続いた。原油・金利高を受けた景気懸念から株式は下落。円は対ドルで159円台後半へ弱含んでいる。
AI関連の長期社債の発行による需給悪化も重しとなり、米国の30年債利回りはアジア時間の取引で5.32%台に上昇し、2007年以来の高水準を更新。世界的に長期金利の上昇が鮮明になっている。
国内では日本銀行の早期利上げ観測や高市早苗政権下での財政懸念も相まって、長期金利の指標となる新発10年債利回りが一時前日比2.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.945%に上昇、節目の3%に近づいた。また、午後には超長期債の売りが強まり、新発40年債利回りは7bp上昇した。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、中東情勢の不透明感からインフレ懸念が国内外で強まっていると指摘。日銀の利上げ前倒しや財政の具体案が見えるまでは金利低下は見込みにくいと話した。
一方、この日行われた5年債入札は利回り水準の高さから需要が集まり、順調に消化された。新発5年債利回りは午前に2.18%と00年の発行開始以降の最高を更新した後、午後の取引で低下に転じた。
債券
債券市場では長期債や超長期債が売られる一方、5年債入札の結果発表後に中期債が買い戻され、利回り曲線がスティープ(傾斜)化した。
5年債入札は応札倍率が昨年6月以来の高水準となるなど強めの結果となった。SMBC日興証券の丸山凜途シニア金利・為替ストラテジストは、先週からの日銀利上げ前倒し観測で2年、5年金利が上昇し、利回りの高さからいったん買いが入ったと説明。ただ、20日に20年債入札を控え、超長期ゾーン中心に日本でもリプライシングが続く可能性もあり、相場は弱含むとの警戒感が残ると話した。
BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストも、5年債入札の好結果が20年債入札を強くサポートする可能性は低いとみる。高市首相は円安や金利上昇、金融政策について沈黙しており、インフレ抑制に対する政府の決意に不透明感をもたらしていると指摘。投資家は超長期債への投資に躊躇(ちゅうちょ)していると述べた。
新発国債利回り(午後3時時点)
株式
米国株先物や韓国総合株価指数(KOSPI)が軟調となる中、日経平均株価は午後にかけて下げ幅を拡大した。中東情勢の混迷を受けた原油高や、日米の金利上昇の企業業績や景気への影響に警戒が高まり、下落率は7月28日以来の大きさとなった。
金利上昇を受けて食品、小売りなど内需関連や、電気機器などの景気敏感セクターが売られた。朝方は堅調だったAI関連などのグロース(成長)株も安く、村田製作所や太陽誘電が急落した。半面、海運や銀行株などのバリュー(割安)株が堅調で、TOPIXは上昇する場面もあった。
サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は、AIを巡るファンダメンタルズのストーリーには依然として勢いがあるものの、長期金利の上昇は、割高なセグメントにとってこれまで以上に大きなバリュエーションの制約になると指摘する。
りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは、日銀利上げ観測の高まりにより銀行株の利益成長の確度が高くなっていると指摘。半導体関連株の値動きが指数全体の動きを決めていた相場環境が落ち着き、好業績の企業を中心に幅広い銘柄に買いが入り、TOPIXは底堅い展開になっていると分析した。
為替
円は対ドルで159円台後半に弱含み。中東情勢を巡る先行き不透明感や原油価格の高止まりを背景にドル買いが優勢で、7月末の日米協調介入後の円安値を更新した。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也シニア為替アナリストは、中東情勢が混迷する中、原油高による貿易赤字の拡大も意識され、円安基調が続いていると指摘。海外時間に160円を試す展開もあると予想している。
みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミストは、原油価格の上昇に加え、国内では通貨政策以外に金融・財政政策などを取り込んだ円高誘導が見られず、財政拡張への懸念が依然くすぶっていると指摘。円買い圧力をもたらすのは難しいと語った。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:Faseeh Mangi、グラス美亜.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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