(ブルームバーグ):中国アリババグループのオープンウエートAIモデルは、世界での過去6カ月間のダウンロード数が30億回を超え、メタ・プラットフォームズやアルファベット、中国の同業他社を上回り、世界首位のAIモデルとなった。
アリババのモデル群「Qwen(千問)」は460を超えるモデルをオープンソース化しており、そのエコシステムから30万を超える派生モデルが生まれている。同社が電子メールで発表した。オープンソースAIの主要プラットフォーム、ハギングフェイスが14日に公表したオープンモデルに関するリポートによると、2026年のダウンロード数はアルファベット傘下のグーグルが4億1800万回、メタが2億2700万回だった。
オープンモデルはダウンロードしてカスタマイズでき、新たなAI製品を開発する際の基盤として利用できる。このため普及度は、開発者がどの技術を採用しているかを測る指標となる。ダウンロード数や派生モデル数は、米中のAI開発競争における影響力を示す尺度の一つとなっている。アリババなど中国の開発企業は、高性能で比較的低コストかつ改変しやすいモデルを投入しており、Qwenの台頭は、こうした戦略が中国国外でも浸透しつつあることを示している。
QwenやムーンショットAI(月之暗面)、DeepSeek(ディープシーク)など中国のAIモデル開発企業は、最先端モデルに匹敵する性能の再現を進め、OpenAIやアンソロピックなど米国のクローズドモデルとの差を縮めようとしている。今夏にアンソロピックの「フェイブル(Fable)5」モデルへの海外からのアクセスが一時禁止されるなど、半導体やAIシステムを巡る輸出規制は、中国勢の勢いを抑えるには至っていないようだ。
ハギングフェイスのリポートはQwenのダウンロード実績について、アリババを「オープンAIエコシステムを支える最大級の基盤の一つ」にしていると指摘した。杭州を拠点にクラウド、電子商取引、AI事業を手掛けるアリババは、中国の競合であるディープシーク、ムーンショットのKimi、ミニマックスに加え、米国のモデルに対しても存在感を高めている。
同リポートは「Qwenは、どのモデルをファインチューニングして展開するかを決める際、開発者が標準的に検討するモデルの一つとなっている」と指摘した。
幅広いモデルをそろえることで、エコシステムが好循環を生み出す可能性がある。モデルを採用する開発者が増えれば派生版も増え、それがさらに新たな利用者を呼び込む。アリババは東南アジアやアフリカなどの市場で、クラウドプラットフォームを通じて法人顧客にQwenを提供することで、この循環を強化しており、多くの競合にはない幅広い展開を可能にしている。
米テクノロジー大手も対抗している。開発者の獲得競争が激しくなる中、メタとエヌビディアはここ数週間、新たなオープンAIモデルを相次いで公開した。
原題:Alibaba AI Models Hit 3 Billion Downloads, Passing Meta, Google(抜粋)
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