(ブルームバーグ):米国とイランの戦争終結に向けた暫定合意は15日の株式・債券市場に一定の安心感をもたらした一方、予測市場には新たな頭痛の種を残した。
米予測市場を運営するポリマーケットでは、米・イランによる和平合意を巡り、署名の有無とそのタイミングに、3億4500万ドル(約553億円)余りが賭けられている。
両国はいずれも合意したと週末に発表し、一部のトレーダーは利益を得られると考えていた。ただ、賭けはまだ宙に浮いている。発表内容がポリマーケットの契約に記載された条件を満たすのに十分かどうかが明確でなかったためだ。

14日夜、和平合意があったとして、このテーマの結果を「イエス」として処理する提案が出された。しかし、ポリマーケットで最終判断を行う暗号資産UMA保有者が、直ちに異議を唱えた。
異議を唱える一部の参加者は、和平合意の内容は契約条件を満たしていないと主張する。合意が文書に署名されていない点に加え、両国間の合意が軍事作戦の「恒久的」終結を意味するかどうかが不明確だとしている。
今回の議論は、ポリマーケットを揺るがす最新かつ最大級の対立となっている。予測市場が、現実世界の複雑な出来事を「イエス」か「ノー」かで処理する難しさを改めて浮き彫りにしている。
ポリマーケットが係争中の賭けの処理をUMAに委ねている点は、一部トレーダーの間で不評だ。UMAトークン保有者がオンライン上での議論を経て最終判断を投票で下す仕組みだが、トークン保有者は本人確認や利益相反の可能性を明らかにすることもなく、数十億ドル規模の判断を左右できるためだ。
ブルームバーグの最近の分析では、こうした投票に使われるトークンの過半を、わずか9ウォレットが支配していることが分かった。
米・イラン和平合意に関連するポリマーケットの契約条件では、いかなる合意も米国とイランの軍事作戦が「終了した、または恒久的に停止する」と明示されている必要がある。つまり、暫定的な合意は条件を満たさない。
UMAトークン保有者は15日、オンライン対話アプリ「Discord(ディスコード)」のUMAのチャットルームに集まり、週末の発表内容がこの条件を満たすのに十分かどうかを議論した。討議とその後の投票は、今週後半に終了する見通しだ。
両国は15日、ホルムズ海峡での航行を通航料なしで60日間認める暫定和平合意に達したと発表。双方の代表団は今週、カタールで詳細を詰める予定で、19日にはスイスで覚書に正式に署名する見通しだ。
ポリマーケットの複数のトレーダーは、この合意が恒久的ではない証拠として、海峡再開が一時的である点を指摘した。
一方で、パキスタンのシャリフ首相が同合意を「軍事作戦の即時かつ恒久的な終了」の宣言と表現したことが、「イエス」と判断するのに十分な証拠になるとの声もあった。
特に議論となったのは、15日までに和平合意が成立するかどうかという契約で、これまでに6600万ドルが賭けられている。
UMAによる異議申し立て手続き中でも賭けの取引は続く。そのため投資家は、当初のテーマ自体ではなく、事実上、その議論の最終判断に賭けることができる。
ポリマーケットに今回の紛争についてコメントを求めたが、直ちに返答はなかった。
原題:Polymarket Traders Clash Over $345 Million Iran Peace Market(抜粋)
--取材協力:Carolyn Silverman.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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