トランプ米大統領は今週、世界の首脳らとの難しい協議に臨むためフランスへ向かう予定だ。だが、その前に80歳の誕生日を祝い、政治以上に過激で流血を伴う総合格闘技をホワイトハウスで観戦した。

トランプ氏は14日夜、スポーツやイベントの企画会社TKOグループ・ホールディング傘下のアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)を、ホワイトハウス南庭に招いた。このイベントはトランプ氏による米建国250周年祝賀行事の幕開けとなる。自身の肖像を刻んだ記念金貨や、ナショナル・モールでの大規模フェア、さらに8月にはワシントン市街地で開催されるインディカー・レースなどが予定されている。

試合は米東部時間午後8時30分(日本時間15日午前9時30分)直前に開始された。トランプ氏とUFCのデイナ・ホワイト社長はホワイトハウス内を歩いて会場入りした。首都ワシントンでは落雷や雷鳴が発生しており、悪天候への懸念からイベントはやや遅れて始まった。

イベントにはメタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)、パラマウント・スカイダンスのデービッド・エリソンCEO、ベッセント財務長官、トランプ氏の家族らが出席した。

2024年大統領選でトランプ氏を支持した若い男性層から人気を集めるポッドキャスト司会者、ジョー・ローガン氏が試合を通じて解説を担当した。

ホワイトハウスには軍関係者も観客として参加したほか、中継では日本の沖縄を含む各地の軍事基地で開かれた観戦イベントの様子も映し出された。名誉勲章受章者などが南庭の会場へ向かう選手たちを先導した。観客はイベント中、トランプ氏に向けて誕生日を祝う歌を歌った。

7試合のケージマッチを開催するため、高さ約100フィート(約30メートル)の大型照明設備「ザ・クロー」が建設された今回の大がかりなイベントにはすでに批判が集まっている。公益団体パブリック・インテグリティー・プロジェクトが起こした訴訟では、「腐敗の火山」と批判されている。

長年のトランプ支持者であるホワイト氏によれば、この前例のない企画はトランプ自身が発案した。UFCの若い男性ファン層は、2024年の大統領選でトランプ氏を支えた重要な支持基盤とされている。第2次トランプ政権発足後には国務省や連邦捜査局(FBI)までが、UFCと提携契約を結んでいる。

ホワイトハウスはイベント費用について、UFCが全額負担し、スポンサー交渉もすべて担当したと説明した。

ホワイトハウス南庭で予定されるUFC大会を前に、エリプスに設置されたオクタゴンとファンゾーン

一方で、ユーガブが6月5日公表した世論調査では、ホワイトハウスでの格闘技大会に51%が反対し、賛成は27%にとどまった。

裁判資料によると、UFCは大会開催に6000万ドル(約96億円)を超える資金を投じた。イベント開催に必要な「著しい人員とリソース」は、七つの米連邦機関が提供した。訴訟では開催差し止めの請求は認められなかった。

会場の4300席に加え、隣接するエリプスでは抽選で無料チケットが配布され、最大12万人の集客が見込まれている。スポンサーには暗号資産のクリプト・ドット・コムなどが名を連ね、トランプ家の事業ワールド・リバティー・ファイナンシャルは、上位2選手に計25万ドルの特別賞金を提供すると発表した。

試合前の関連イベントも、ワシントンの歴史的施設を舞台に行われた。記者会見はリンカーン記念堂で開かれ、選手たちは互いを挑発しながら勝利を宣言した。さらに選手用ロッカールームはホワイトハウス敷地内に設置され、通常は公式行事に使われるインディアン条約室も利用される。国家の象徴的空間が格闘技イベントの運営施設へ転用される点も、異例さを際立たせている。

Photographer: Al Drago/Getty Images

原題:Trump Hosts UFC Fights at White House for 80th Birthday (2)(抜粋)

(3段落以降に試合開始に関する詳細を追加して更新します)

--取材協力:Felix Gillette、Maria Paula Mijares Torres.

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