(ブルームバーグ):米国務省は3日、イスラエルとレバノンが停戦で合意したと発表した。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘停止も条件とした。イランとの和平協議を軌道に乗せようとするトランプ政権の新たな取り組みとなり、イラン戦争への政治的な反発が強まる中で打ち出された。
ホワイトハウスは、イスラエルとレバノンの合意についてヒズボラによる攻撃の「完全停止」を条件とすると説明。また、ヒズボラはイスラエル国境に近いリタニ川以南のレバノン領から全ての要員を撤退させなければならないとした。
声明によると、「イスラエルとレバノンは、互いに敵対的な意図を持たないことを再確認するとともに、信頼醸成や未解決問題の解決、両国間の包括的合意に向けて直接交渉を継続する方針を確認した」という。
ヒズボラが合意条件を受け入れたかは現時点で不明。トランプ大統領は今週、ヒズボラの「高位の代表者」と協議し、同組織とイスラエルの間であらゆる攻撃を停止することで合意したと述べていた。

米共和党が多数派を占める下院は3日の本会議で、イランとの戦争を停止させることを目的とした決議案を賛成多数で可決。トランプ氏には打撃となった。中間選挙が5カ月後に迫る中、海外での戦争による米国民の経済的負担の拡大を巡る政治的な懸念が浮き彫りとなった。
今回の採決によって米軍の対イラン作戦が終結するわけではない。だが、議会を自らの意のままに動かしてきたトランプ氏にとっては、相次ぐ痛手の新たな例となった。
イランは、現在の地域紛争の解決に向けた米国との合意の条件として、イスラエルがレバノン国内のヒズボラ関連施設への攻撃を停止することも求めている。
停戦の発表は、イスラエル軍がヒズボラに対する軍事行動を数日にわたり強化した後に行われた。トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は電話で会談したが、トランプ氏は戦闘の沈静化とイランとの和平協議維持を求める中で、ネタニヤフ氏に罵声を浴びせたと報じられている。
両首脳は合意内容について異なる説明を行った。トランプ大統領は当初、ネタニヤフ氏が認めるより広範な停戦が成立したとの認識を示していた。
この一件は、トランプ氏がこれまでほとんど言及してこなかった戦争の一側面を改めて浮き彫りにした。つまり、米国とイスラエルでは戦争終結のあるべき姿に対する考え方が異なるという点だ。この溝は、レバノン問題を和平合意に含めるべきだと主張するイランとの交渉を危うくしている。
トランプ大統領は3日配信されたポッドキャスト番組「Pod Force One」のインタビューで、「彼がレバノンとの戦闘を絶えず続けていることに私は少しいら立っていた」と述べた。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、イランが米軍の兵士を殺害した場合には停戦の打ち切りを検討すると非公式に側近に伝えたと報じた。ただ、トランプ氏は戦争再開に消極的で、地域紛争の拡大を避けるため、小規模な衝突であれば数週間は容認する可能性があるという。米当局者の話として伝えた。
米国とイランはここ数日、4月の停戦発効以降で最も深刻な緊張の高まりとなる限定的な攻撃の応酬を続けている。新たな攻撃はバーレーンやクウェートにも波及した。クウェートの民間空港への攻撃では少なくとも1人が死亡し、大きな被害が出たほか、数時間にわたり発着便の運航が停止した。
国営カタール通信によると、トランプ大統領は3日、タミム首長と電話で会談した。首長はその中で、「全ての当事者による政治的・外交的解決と対話を優先することの重要性」を強調したという。
原題:Israel, Lebanon Agree to Ceasefire as US Pursues Iran Accord(抜粋)
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