(ブルームバーグ):トランプ米大統領はここ数カ月、イラン戦争を終結させる合意は近いとの自信を示してきた。しかし、イスラエルが自国の目標達成に向かってまい進する姿勢を崩していないことは、今回の危機の行方を左右する同氏の影響力の限界を浮き彫りにしている。
今回の足並みの乱れは、イスラエルがレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラに対する軍事攻撃を数日間にわたり強化した後に生じた。トランプ氏とイスラエルのネタニヤフ首相が電話会談を行ったが、両首脳は合意内容について異なる説明をした。まずトランプ氏が、ネタニヤフ氏が表明する意向だった内容よりも広範な停戦が実現したと示唆した。
この一件は、トランプ氏がこれまでほとんど認めてこなかった戦争の一面を改めて示した。米国とイスラエルは、戦争終結を巡る考え方に大きな開きがあり、それが米国とイランの脆弱(ぜいじゃく)な交渉を危うくしている。イランは、和平合意にレバノン問題を含めるべきだと主張している。
トランプ氏は、イランが合意を切望しているとの主張を繰り返してきたが、イラン政府は1日、仲介役を通じた協議が停止されたと表明した。一方、トランプ氏は2日、協議は停止していないと否定した。
イランのこうした対応は、ネタニヤフ氏がレバノンの首都ベイルートへの新たな攻撃を示唆した後に明らかになった。イスラエルは、ヒズボラに対する作戦は、自国および地域の安全保障にとって不可欠だとしている。
米国とイスラエルは2月末、共同でイラン攻撃を開始し、ともに戦争に踏み切った。しかし両国間の亀裂を示す兆候は、トランプ氏の戦闘終結に向けた取り組みを複雑にする可能性がある。アクシオスの報道によると、今週の電話会談は緊迫した雰囲気となった。トランプ氏はネタニヤフ氏に対して罵声を浴びせたほか、恩知らずだと非難したという。
アクシオスの報道についてホワイトハウスに確認を求めたが、返答はなかった。在ワシントンのイスラエル大使館にもコメントを求めたが、今のところ返答はない。
ブッシュ(子)元政権で国家安全保障会議(NSC)の中東担当上級部長を務めたマイケル・シン氏は、「イランは米国とイスラエルの間にくさびを打ち込もうとしており、率直に言うと、一定の成果を上げている」と述べた。
トランプ氏は1日の電話会談後、イスラエル軍はベイルートへの攻撃を控えると言及し、イスラエルとヒズボラの間で広範な停戦が成立したことを示唆した。
これに対しネタニヤフ氏は、レバノン北部での暫定停戦を確認する一方、同国南部での作戦は継続すると表明した。トランプ氏はその後の投稿で、イスラエル軍がベイルートから引き返すようネタニヤフ氏を説得したと、自らの成果を強調した。
原題:Trump’s Netanyahu Problem Is Latest Key Hurdle to Iran Deal (1)(抜粋)
--取材協力:Courtney Subramanian、Devika Krishna Kumar、Ben Holland.
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