英国のスターマー首相は、与党・労働党の党首を辞任するつもりはないと明言した。7日に投票が行われた地方選では、ナイジェル・ファラージ氏率いる保守系ポピュリスト政党リフォームUKが躍進する一方、労働党は議席を大きく減らしそうな情勢で、首相の動向が注目されている。

地方選の開票は現地時間8日午後の段階でまだ続いている。結果が確定したイングランドの半分余りの地方議会では、リフォームUKが890議席の純増で、伝統的に労働党や保守党が強かった地方で過半数を獲得した。労働党は679議席を失ったが、懸念された最悪の予想ほどの惨敗にはならない見通しだ。

労働党は1世紀余りにわたって支配を続けたウェールズ議会で、ウェールズ民族党、リフォームに大差を付けられて第3党に転落する見通し。スコットランドでは、スコットランド民族党(SNP)が過半数を維持しそうな情勢だ。

今回の選挙では緑の党も勢力を伸ばし、1世紀以上英国の政治を支配してきた保守党と労働党の2大政党が右派からも左派からも切り崩されている状況を浮き彫りにした。

また、労働党内ではスターマー首相の指導力に対する不満が再燃し、ヘイグ前運輸相は2029年8月までに実施される次回総選挙について、スターマー氏が党を率いることはないと主張した。

スターマー氏は報道各社とのインタビューで、厳しい結果を「ごまかすつもりはない」と述べた。

「有権者は改革のペースや、どのように暮らしを改善して欲しいか、メッセージを送っている」と同氏は発言。「自分はこうした課題に対応するために選ばれたのであり、この課題を放り出して国を混乱に陥れるつもりはない」と述べ、次回選挙まで首相にとどまる決意を示した。

報道各社の質問に答えるスターマー英首相(8日、ロンドン)

複数の労働党議員によると、レイナー前副首相やストリーティング保健相ら次期首相候補とみられる有力者が、直ちに首相下ろしに動く気配はない。それでも一部はスターマー氏に秩序ある退陣計画の検討を内々に促しており、英タイムズ紙によると、ミリバンド・エネルギー相が過去数週間にそのような立場をスターマー氏に伝えた。

予測市場を運営するポリマーケットでは、スターマー氏の年内退陣が依然有力視され、その確率は61%とみられている。ただ、7日の70%からは低下した。

続投を明言したスターマー氏に後押しされ、英国債相場は上昇。政治や財政リスクに反応しやすい長期物を中心に買われ、30年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して5.54%となった。同年債利回りは今週前半、政治不安の再燃から1998年以来の高水準を付けていた。

原題:Starmer Vows to Stay On as Farage Gains in Labour Heartlands (3)(抜粋)

--取材協力:Isobel Finkel、Alex Wickham、Lucy White、Paul Dobson、Alastair Reed、Joe Mayes、James Woolcock、Alice Gledhill、Ellen Milligan、Fran Wang.

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