(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズ・レーティングスによると、プライベートクレジットの拡大を背景に、ファンドファイナンス市場は昨年1兆ドル(約160兆円)を突破した。投資ビークルが流動性管理や遅延したエグジットを補うため借り入れを増やしたためだ。
ファンドファイナンスのビークルは、世界で16兆ドル規模に上るプライベートクレジットおよびプライベートエクイティファンド市場に資金を供給する。この分野の成長は保険会社などのノンバンク系貸し手を呼び込み、こうした貸し手層の拡大がプライベートクレジットの成長を後押ししたとムーディーズは分析した。
「プライベートクレジットファンドの増加は、ファンドファイナンス拡大の特に強力な原動力となっている」と指摘。「プライベート市場のファンド投資家がファンドレベルのレバレッジを一段と容認するようになる中、プライベートクレジットとファンドファイナンスの拡大は相互に強化し合っている」とした。
さらに、ディール(取引)の鈍化でプライベートエクイティ企業はファンドファイナンスの利用を進め、現在では流動性管理の手段としてより日常的に使われるようになっていると付け加えた。
かつては銀行が主な貸し手だったが、プライベート資本の急成長が銀行の供給能力を上回った。現在では保険会社やプライベートクレジットファンド自身も市場に参入し、一部では投資家と貸し手の境界が曖昧になっているとムーディーズは指摘した。
ムーディーズは、ファンドファイナンス分野の人気が高まる中でリスクの監視が必要だとした。一部の銀行は、バランスシートからリスクを移転するため、ファンドファイナンス向け融資のポートフォリオを資産担保証券(ABS)として組成し始めている。
ブルームバーグ・ニュースの報道によると、米連邦準備制度理事会(FRB)は、ファンドからの解約請求の増加やソフトウエアなどのセクターでの不良債権の増加を受け、主要米銀に対しプライベートクレジットへのエクスポージャーの詳細を求めている。
ムーディーズは、ファンドファイナンス商品の主な信用リスクとして「資産の質の潜在的な悪化や組み込まれたレバレッジの存在があり、不利な局面では損失を増幅させる恐れがある」と指摘した。
原題:Private Credit Boom Turns Fund Finance Into $1 Trillion Market(抜粋)
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