(ブルームバーグ):カナダのカーニー首相は27日、大規模インフラプロジェクトへの資金供給を目的として、同国初の政府系ファンド(SWF)を創設すると発表した。
発表によると、新たに「カナダ・ストロング・ファンド」が、連邦政府からの250億カナダドル(約2兆9300億円)の初期資金をもとに設立される。カーニー氏は、新たなファンドについて「完全な商業ベースで投資を行う、独立した専門運用機関として設立され、民間部門とともに国づくりに関わるプロジェクトに投資する」と説明した。カナダ国民が出資し、リターンを得られる仕組みも設けられるという。
カーニー氏は「カナダ国民は関わりたいと考えている。国づくりに参加したいのだ」と強調した。個人投資家にとって下振れリスクを抑えつつ、上振れの恩恵を享受できるような仕組みになるとの見通しを示した。
カーニー氏は、カナダへの国際資本の誘致を優先課題としてきた。政府は昨年11月、5年間で5000億カナダドルの民間投資を呼び込む目標を掲げ、港湾やパイプラインなど輸出インフラの承認や建設を加速させる方針を示した。
ノバスコシア銀行の資本市場エコノミクス責任者デレク・ホルト氏は、リポートでこのSWFについて「成否は細部に大きく左右される。短期的で持続しない支出を長年支え続けるよりも、将来の生産性や生活水準の向上につながる貯蓄や投資を重視する政策は、原則として評価できる」と述べた。
カナダ経済に占める企業投資の割合は、ジャスティン・トルドー前首相下で低下した。トルドー政権は、ブリティッシュコロンビア州北部を横断する新たな原油輸出パイプラインの計画を却下し、化石燃料開発を減速させる環境政策を導入した。
カーニー氏はこうした政策の一部を見直し、トランプ政権が鉄鋼、アルミニウム、自動車、木材などに関税を課したことを受け、米国以外の市場への輸出拡大に向けた大規模な投資が不可欠との認識を示している。米国はカナダ最大の貿易相手国であり、カナダは米国の製油所にとって最大の海外産原油供給国だ。
カナダ政府は今月、カナダ年金投資委員会と公共部門年金投資委員会と連携し、今年中にグローバル投資サミットを開催すると発表した。両機関の運用資産は、合計で1兆カナダドルを超える。
原題:Canada Launches Sovereign Wealth Fund to Back Major Projects (1)(抜粋)
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