ブルームバーグ・ニュースが実施した調査によると、エコノミストは米連邦準備制度理事会(FRB)の次回の利下げ開始時期予想を3月から6月へ後ろ倒しした。一方で、年末までに0.25ポイントの利下げが2回実施されるとの見方は維持している。

調査対象となった46人のエコノミストは、金利先物市場の織り込みよりも速いペースでの利下げを見込んでいる。また、2026年の利下げ回数についても、FRB当局者が12月時点で示した中央値の見通しより1回多いと予想している。

今回の調査では、トランプ大統領がパウエルFRB議長の後任として指名したウォーシュ元FRB理事に対する懸念も浮き彫りになった。ウォーシュ氏がFRBの2%のインフレ目標達成にコミットすると考えるかとの質問に対し、13%が「分からない」と答え、18%が「ノー」と回答した。

また、ウォーシュ氏のインフレ目標へのコミットメントに疑問を示した回答者の多くは、連邦公開市場委員会(FOMC)全体としても同目標への強い姿勢が維持されるか疑問、または不確実だと答えた。

FRBが重視するインフレ指標は25年末時点で2.9%となり、目標を5年間上回っている。こうした状況の中、5月に任期満了を迎えるパウエル議長に対し、トランプ氏は利下げを繰り返し要求してきた。トランプ氏は12日、SNSへの投稿で「FRB議長のジェローム『遅すぎ』パウエルは今どこにいるんだ?」とし、「次の会合を待つのではなく、直ちに利下げを行うべきだ!」と続けた。

またトランプ氏は、次期議長には大幅な利下げを期待していると明言しており、これがインフレを押し上げる可能性もある。

サウスステート・セキュリティーズのシニアバイスプレジデント、トーマス・フィッツジェラルド氏は、トランプ氏はゼロ金利政策への回帰を望んでおり、それを実現するようFRB議長に圧力をかけるだろうと指摘。「このメッセージは委員会内で抵抗に直面するだろうが、長期的な2%インフレ目標へのFRBのコミットメントに対する市場の認識を損なうことになる」と述べた。

12月時点の調査では、エコノミストは3月と9月の利下げを予想していたが、中東での紛争が始まった直後の3月6-11日に実施された今回の調査では、6月と10月の利下げを見込むとの回答に変わった。いずれにしても、FRBの政策金利の誘導目標レンジに関する年末時点の予想中央値は3-3.25%となった。

FRB当局者は今月の会合で新たな経済見通しを公表する予定で、米国とイスラエルによるイラン攻撃など最近の情勢を経済見通しにどう反映するかが注目される。エコノミストは、インフレ見通しが12月時点よりやや上方修正され、成長見通しはやや引き下げられると予想している。

ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「イランを巡る紛争を踏まえると、FRBがインフレ率、国内総生産(GDP)、フェデラルファンド(FF)金利の見通しをどう調整するかが極めて重要になる」と述べた。

双方向のリスク

回答者の45%は、FRBが今月の会合後の声明で金利見通しに関する「双方向」のリスクに言及する可能性があると予想した。これはインフレが高止まりすれば利上げも適切となり得ることを示唆する。前回会合の議事要旨によると、1月会合では「数人」の当局者が声明への反映を求めたが、明記されなかった。

調査によると、エコノミストはFRBが現在、二つの責務の双方で課題に直面しているとみている。インフレおよび失業に対するリスクが主にアップサイドにあるとの回答はそれぞれ86%、64%となった。どちらのリスクがより大きいかとの質問には、40%がインフレ、24%が労働市場を挙げ、残りは両者がほぼ均衡していると答えた。

原題:Economists See Two 2026 Fed Rate Cuts, Worry Over Warsh: Survey(抜粋)

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