(ブルームバーグ):ビル・クリントン元米大統領は27日、性犯罪で有罪判決を受けた後に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の政界における人脈を調査する米下院監視・政府改革委員会の証言に応じた。非公開で約6時間にわたって行われた証言で、クリントン氏はエプスタイン氏の違法行為に関していかなる知見も持っていないとして、全面的な否定に終始した。
証言はニューヨーク州チャパクアで行われた。証言に向け事前に用意された声明で、クリントン氏は「私は何も見ていないし、いかなる不正行為も行っていない」とした上で、「自分が見たものは承知しているし、もっと重要なこととして、自分が見なかったものも承知している」と述べた。

クリントン氏は、「エプスタイン氏が犯していた不正行為について全く知らなかった」と表明。同氏との関係についても、「一時的な知人」に過ぎず、不正行為が明るみに出る数年前に終了したと説明した。
クリントン氏は、米大統領経験者として初めて連邦議会での証言を余儀なくされた。前日の26日には、妻のヒラリー・クリントン元国務長官も同委員会の証言に応じている。
同委のコマー委員長(共和)は、クリントン氏がエプスタイン氏の自家用機を利用したことや、クリントン政権時代に同氏がホワイトハウスを訪問した件について同委として追及する方針を示していた。
証言の後、コマー氏は「非常に有意義な証言」だったとし、「新たな事実を得ることができたと考えている」と述べた。
同委民主党筆頭理事のガルシア議員は午後の休憩中に記者団に対し、クリントン氏は「非常に協力的」であり、「できる限り公正に質問に答えている」と述べた。
ラトニック米商務長官や政権1期目で大統領首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏らトランプ米大統領側と、エプスタイン氏の関係が注目を集める中、トランプ氏側は、クリントン夫妻ら民主党側との接点を浮き彫りにしようと動いてきた。
クリントン夫妻は、証言を拒めば議会侮辱罪に問うとの共和党議員らの警告を受け、下院委員会での証言要請に応じた。
クリントン氏は、エプスタイン氏が08年にフロリダ州で未成年者への売春勧誘罪などの有罪を認める以前に、同氏の自家用機を数回利用していた。
また、1992年の大統領選でクリントン氏側に1000ドル(現在のレートで約15万6000円)、2000年の上院選でヒラリー氏側に2万ドルを提供していたほか、エプスタイン氏が運営する慈善団体がクリントン夫妻の個人財団に2万5000ドルを寄付していた。
原題:Bill Clinton Tells House Panel He Wasn’t Aware of Epstein Crimes(抜粋)
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