村田製作所の中島規巨社長は17日、人工知能(AI)ブームを追い風に活況が続くデータセンター向けの積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要増が続いており、値上げについて真剣に議論を始めたことを明らかにした。

中島氏は京都府長岡京市の本社でのインタビューで、MLCCの値上げをするかどうかについては実需の見極めが重要だと強調。「第4四半期である程度見極めることはできるかなと思っている」と述べた。世間や業界に対する影響の大きさも鑑みながら慎重に判断するとした。

クラウドサービスを提供する大手IT企業(ハイパースケーラー)を中心に、データセンターへの積極投資は3-5年続くとみていると中島氏は説明。同社のMLCCの引き合いも供給能力に対して倍ぐらいの水準になっているという。AI自体は産業革命と同等の変化であり、「一時のブームではない」とも述べた。

村田製作所の中島社長は17日のインタビューで、AIデータセンターが牽引する電子部品への需要は少なくとも今後3年は続くとの見方を示した(動画)

一方で実需については慎重に見極める姿勢をとる。同社がもともとインフラ向けのビジネスに精通している訳ではなく、現在業界で語られている需要見通しは「ちょっと多め」という印象もあるためだ。

AIブームの恩恵はメモリーなど半導体業界だけでなく、MLCCなど電子部品にも及んでいる。MLCCで世界シェアトップの村田製はスマートフォン市場の拡大と共に業績を伸ばしてきたが、高付加価値製品で技術の差異化に取り組み、AI分野でも大きな成長機会をとらえようとしている。

報道を受けて同社の株価は午後の取引で上昇に転じ、一時前日比9.2%高の3585円と2024年7月29日以来の日中高値を付けた。終値は6.9%高の3509円だった。

中島社長(京都府長岡京市)

ブルームバーグ・インテリジェンスの若杉政寛アナリストは、AI向けMLCCは超大容量、長寿命、高耐圧などのスペックが必要になるため、製品の品質と供給力で頭1つ抜け出している村田製にとってはチャンスだとの見方を示した。

米調査会社IDCによると、サーバー市場は26年に前年比24%増の5659億ドル(約87兆円)と引き続き高成長が見込まれる一方、スマホ市場は同0.9%減の5789億ドルにとどまると予測する。

(動画を追加して更新します)

--取材協力:岩井春翔.

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